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人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

「イノベーションのDNA」と、専門領域に依らない「質問力」(第112号)

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こんにちは、合同会社5W1H代表の高野潤一郎です。

先日配信した号外では、経営学書として異例のベストセラーとなった、「イノベーションのジレンマ」の著者である、クレイトン・クリステンセン教授の新刊、「イノベーションのDNA」で、「質問力」について丸々1章を書いておられたこと、そして、弊社の Google+ページ に、「後天的に学習可能なスキルで、「イノベーション」を起こす!」 という記事を投稿したことをお知らせしておりました。

号外配信から一週間以上経ちました。本ニューズレターをご購読の方には、行動力が旺盛な方も多いようですので、ご自身で「イノベーションのDNA」をお読みになった方も、次第に増えてきた頃ではないかと思っています。

そこで、号外でお伝えしていたように、(著作権法ほかに配慮し、要約・書評などではなく、あくまでも、コメント・意見として)(文末※1~※3)上記書籍と弊社流の「特定の専門領域やコンテンツに依らない、普遍的な質問力」「『探求』の側面が強調された質問力」との関係について、いくつか私見を述べてみたいと思います。

 

弊社流「質問力」という切り口から見た「イノベーションのDNA」

イノベーションのDNA」に関する、「弊社流『質問力』という切り口から見た私なりの意見」をご紹介するに当たって、私の理解に基づく書籍の大きな流れと、「質問力」に関係の深い部分の書籍の主張に絞って、情報共有させていただこうと思います。

まず、特に「質問力」に関係の深いと思える部分に着目して、書籍の大きな流れを「私なりに整理」すると、次のようになります。( …[ ]内の”見出し”は自作で、文章は出典中にあるものを基にしてところどころ改変しております。その旨、ご了承ください。)

[ イノベーションが求められる理由 ]
  • 望ましくない現状を打破するには、イノベーションが必要
  • 著者が採用している「イノベーション」の定義は、A.G.ラフリーとラム・チャランの「新しいアイディアを創出し、それを売り上げと利益に変換させるプロセス」という主張。
  • イノベーションとは、突き詰めれば、人や会社への「投資」である。発見(探求)志向の人材を採用・育成し、社員の質問・観察・ネットワーキング・実験・関連づけを後押しするようなプロセスを制度化することで投資リスクを下げること(「スマート・リスク」を取ること)が大切。…調査対象となったイノベーティブな企業群では、失敗することが少なかった。
  • 投資家の関心は、「当該企業が、今後イノベーションを生み出せるかどうか」(…過去の実績ではなく、「新製品・サービスの創出と収益化」ができるかどうか)に向いている。
  • 「イノベーションでは、袋小路にはまることは避けて通れない。行き詰まらずしてイノベーションはあり得ない。だが時折、袋小路を歩いていると、大きな広い道に出ることがある。…だから、どんな袋小路にもはまる価値がある。」(ジェフ・ベゾス

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[ イノベーションを生むには、発見力が大切 ]
  • 大企業が破壊的イノベーションに失敗しがちなのは、「発見力」(探求力)の高さではなく「実行力」(処理力)の高さで選ばれた人材が最高経営層を占めるため。「実行にとらわれていたら、社員はイノベーティブになれない。そんなことでうまくいくはずがない。」…ビジネス・スクールでは、発見ではなく、実行に長けた人材を育てている。大組織の幹部のほとんどは、どうすれば「人と違う考え方」ができるのか知らない。
  • 実行力の高いほとんどの経営幹部は、新しいアイディアが失敗する理由について考えて列挙するが、発見力の高いイノベーターは、アイディアを成功させるための独創的な方法を考える。
  • イノベーションを生むには、イノベーター≒「創造性」を発揮する人々と、イノベーションを生み出しやすくする体系的なプロセスや哲学を持った組織が重要な役割を果たす。

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[ 発見力を高める行動的スキル ]
  • 創造性の発現には、遺伝的要素・認知的スキルだけではなく、「関連づける力」「質問力」「観察力」「実験力」「ネットワーク力」といった5つの「行動的スキル」によって、「人と違う行動」を取ることが大切。
  • 行動的スキルの内、イノベーティブな大物起業家が例外なく身につけているものとして、「関連づける力」と「質問力」の2つがあるという調査結果が得られた。…この2項目に関しては、イノベーティブな大物起業家の全員が、上位30%以内に入っていた。
  • イノベーターには、「質問の数が多い」「現状に異議を投げかける種類の質問をする」といった特徴がある。

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[ 行動的スキルとしての質問力 ]
  • 一連の単純な質問を通して現状を把握(…「なぜこうなったのか」と因果関係を明らかにしつつ、人々の性質、知性、感情が織りなす風景を浮き彫りに)し、挑発的な質問(…「なぜなのか」「もし~だったら」と現状を疑うような質問)をたたみかけて可能性を探求すること(…ゲームのルールを書き換えること)が大切。
  • 質問は、「他の発見に関わる行動(観察、ネットワーキング、実験)を創造的な方法で促す触媒」「創造的洞察を促すための触媒」として働く。ただし、質問はイノベーションを生み出すための必要条件だが十分条件ではない。「観察しながら質問する」「ネットワーキングに励みながら質問する」「実験しながら質問する」人が、そうでない人よりも多くのことを発見するという調査結果が得られた。
  • 質問を阻んでいる最大の要因は、「バカに見られたくない」と「協調性がない人間、または、虫が好かない人間だと思われたくない」の2つ。…謙虚に質問できるだけの「自己肯定感」を持っていることが大切。
  • 「有効で、適切で、重要な質問をする術を身につけた人は、『学び方』を学んだことになり、知りたいことを学ぶのを邪魔立てするものは何もなくなる」(ニール・ポストマン&チャールズ・ワインガートナー)

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[ 行動的スキルと日本人 ]

「現状に異議を唱え、実験を行い、リスクを取る」あるいは「『人と違う考え方』をするために『人と違う行動』を取る」上で、日本人の国民性や文化が障害となることが多い…個人や企業が世界級のイノベーターとして競争していくには、こういったスキルを身につけ、駆使する必要がある。

以下、上記内容について、それぞれコメントしてみました。

 

「イノベーションが求められる理由」について

「イノベーション」について、2010年4月8日配信の第51号では、産官学を代表する400名以上のリーダーが15ヶ月かけ、「competitive edge(競争の優位性)を授けてくれるのは、イノベーション以外にはない」という結論を出した「パルミサーノ・レポート」について、ご紹介しておりました。書籍「イノベーションのDNA」では、主に産業界においてイノベーションが重要視される背景に「投資家の関心」(新製品・サービスの創出と収益化ができるかどうか)もあるらしいことを知りました。顧客満足や、競合企業との競争などではなく、投資家に意識の焦点を向けているという切り口が興味深いです。また、こうした潮流もあって、「効率第一主義」よりも「スマート・リスクを取る方針・企業」が期待されているのだと解釈しました。そうするとやはり、「事なかれ主義」や「従来の延長線上にある改善」(…シングル・ループ学習)ではなく、「現状に疑問を呈する質問力」(…ダブル・ループ学習、トリプル・ループ学習)が重視されてきますね。
※シングル~トリプル・ループ学習については、第109号をご確認ください。

 

「イノベーションを生むには、発見力が大切」について

「『実行力』(処理力)に秀でた経営幹部がほとんどを占める大企業では、イノベーションを生み出しやすくする体系的なプロセスや哲学を持たず、破壊的イノベーションに失敗しがちだ」という主張に、非常に興味を覚えました。なぜなら、弊社流の「質問力」が、「実行力」(処理力)に秀でた経営幹部の「視野の拡大・手段の多様化」を進める上でも、お役に立てるという考えが強められたからです。科学・技術分野の研究をしていたこともある私は、ブレイクスルーやイノベーションを生みやすくするような思考方法や行動様式に慣れてもいますし、好きでもあるため、「学生時代からずっと教育・心理学・コミュニケーションなどに携わって来られた講師・ファシリテーター・コーチ・コンサルタントなどとは、一味違った価値を提供できる!」と改めて感じました。

 

「発見力を高める行動的スキル」について

ここでは、発見力を高めるのに役立つ個人のスキルについて5つが挙げられ、その中でも、イノベーティブな大物起業家が例外なく身につけているものとして、「関連づける力」と「質問力」の2つが紹介されていました。私は「関連づける力」(原著では、Associating)を「視点を柔軟に切り替え、要素間の関係を発見する思考」(…例えば、特定の特徴・切り口に着目して、対象を要素に分解→要素の再整理など;他にも、分析と総合・発散と収束などといった解釈も可能)であると捉え、その背景には弊社流の「質問力」があると考えています。というのは、翻訳書の「質問力」という言葉は、原著の「Questioning」にあてられたものですが、弊社では「質問力」の英語訳として「(Question-based) Inquisitive Mind」(質問を用いて「探求/探究する心/姿勢」)をあてているからです。「目的達成・問題解決・意思決定のために、真実・解決策などの探求を行う」わけで、その探求に向けた取り組みの一過程で、「関連づける力」が発揮されるという立場を選択しています。このように、弊社流の「質問力」は、「(Question-based) Inquisitive Mind」であり、「イノベーションのDNA」でいう「Questioning」を包含する内容となっています。

そして、対象とするものを「あるがままに捉える」だけ(…「特定の特徴だけに着目し、他の側面について無視する」ことをしない;視点・機能・立場などを固定したまま)では、革新的なビジネス・アイディアなどを「発見」することはできないのであって、「これまでとは異なる視点に基づく、さまざまな行動(対象や周囲への働きかけ)」を通して、「こういう切り口(視点、フレーム)から見ると『○○が可能かもしれない』などという仮説を立て、実験・検証を繰り返す」ことが、イノベーションにつながる「発見」をもたらすのだと考えています。…「前提からの脱却」や「仮説と検証」に適したアブダクション(abduction; 仮説的推論、発想推論)の詳細については、「コンフリクト・マネジメント入門」でお伝えしています。

 

「行動的スキルとしての質問力」について

日本で「質問力」と言うと、「Questioning」(質問を発するスキル)といった側面で捉えられることが多く、「相手からの想定外の反応にも対処しつつ、やり取りを丁寧に重ねていく」などといった側面を軽視/無視し、「特定の場面で特定の対人スキルと経験を持った人(≠自分)が使って役に立った質問フレーズを紹介します。記憶しておいて、いざという時に使ってみてくださいね。」的な「知識の伝達」を行う研修や、「認知的スキル」を向上させようというセミナーがほとんどだと聞いています。しかし、それで本当に、さまざまに異なる氣質や強みを持った学習者が、異なる環境・時々刻々変化する状況下で、感情を持った生身の人間を相手に、適切なコミュニケーションを図り、所期の目的を達成する「質問力」が発揮できるのでしょうか?

「Inquisitive Mind」(探求心)という側面を重視している弊社流「質問力」では、「質問フレーズの体系」についてもお伝えしていますが、それ以前に「質問力を発揮する上で大切な事柄」について演習を通して学んでいただきます。この部分があるために、質問を阻んでいる主要な要因として書籍で取り上げられていた、「バカに見られたくない」と「協調性がない人間、または、虫が好かない人間だと思われたくない」の2つの心理抵抗が激減します。さらに、「質問フレーズを選び、組み立てる際には、どういった事柄に意識を向けてコミュニケーションを行うと良いのか」に関する指針についてお伝えした上で、「視点を変えた実践演習」・「図解なども用いた振り返り」で、「行動的スキル」としての「質問力」を高めるのに役立つ内容となっています。

一般に、質問力が高いことが期待される「コーチ」の中には、次のような考え方でコーチングを教えていらっしゃる団体もあるようです。

A) その場で考えてすぐに答えられる具体的な質問をするのは、経験の浅いコーチであり、経験豊富なコーチはもっと抽象度の高い質問をするものだ。

B) 難しいことは考えなくて良い。とにかく、具体的には?を繰り返せば、コーチングになるのだ。

 

A) についての弊社の考え:

上記で、「一連の単純な質問を通して現状を把握(…「なぜこうなったのか」と因果関係を明らかにしつつ、人々の性質、知性、感情が織りなす風景を浮き彫りに)し、~」とも書いておりました。弊社では、コミュニケーションの中で飛び交っている、個々の質問フレーズを取り上げて、「こういう質問フレーズを用いている人は質問力がある/ない(高い/低い)というのは、ナンセンス」という立場を取っています。
例えば、「オセロ」などを思い浮かべてみてください。ゲームの最初あるいは序盤であれば、初心者であっても名人であっても、打つ手に対して違いはありません。ところが、ゲームが進むにつれて、ちょっとした判断の差、指し手の組み合わせの違いが積み重なって、ゲームの勝敗につながっていくのではないでしょうか。

同様に、「質問力の発揮が期待される場面」でも、「1つ1つの質問フレーズを、どういう意図・目的のために、どうやって選び組み立てていくのか」(…例えば、相手との関係性や、周囲への影響について何を望むのかなども含めて)について考えること、大切なコミュニケーションに臨む際には、そのコミュニケーションの目的と自分が果たす役割を明確にしておくことが大切だと認識しています。

 

B) についての弊社の考え:

「身体性に重点を置き、スポーツのトレーニングやメンタリングを行っている場合」や「従来路線の延長線上にある業務を効率的にこなしたい場面」など、決められたことを「実行」するような場面では、有効なことの多い姿勢だと思います。しかし、価値観・立場の違いや相反する利害などを乗り越えて、関係者みんなが納得する意思決定を行うとか、相手と協働しつつ問題解決に当たるといった、情理を尽くして対話を進める場面(…時には、好悪の感情などを一旦脇に置いて、目的の達成に向けて論理を重ねるようなコミュニケーションの場面)などには適さない姿勢だと考えています。

また、今回取り上げている「イノベーション」に向けた取り組みという切り口で考えても、「関連づける力」(…特定の視点に立って、要素どうしを新たな組み合わせで結びつけ直す力)の発揮、ひいては「発見力」の発揮には、意識の「抽象化」(一般化)が求められるため、意識の「具体化」(詳細化)だけでは足りず、コミュニケーションを図る上で、「具体化」と「抽象化」の往復運動が求められるという立場を取っています。

こういったA) やB)についての考え方に共感していただけるようであれば、弊社流の「質問力」の一般公開セミナーへの参加や企業研修への導入を検討なさってみてください。「良好な人間関係を構築・維持しつつも、質問を用いて、行動的な探求を行いたい方」「所属組織を『学習する組織』にしていくため、学び方(探求の仕方)を学んだ『学習する個人』を増やしたいとお考えの組織の方」とご一緒できる機会を楽しみにしています。

 

「行動的スキルと日本人」について

「和を以て貴しとなす」(十七条憲法第一条)という精神基盤を持つ日本人に心理抵抗を生じさせるのが、「現状に異議を唱える」あるいは「『人と違う考え方』をするために『人と違う行動』を取る」ことだと思います。しかし、それだからこそ、「現状打破」および「新製品・サービスの創出と収益化」を目指して、諸外国の人々以上に、意識的に、「観察しながら質問する」「ネットワーキングに励みながら質問する」「実験しながら質問する」人になること、そういった人を増やすことに取り組み、イノベーションの実現を図ることが大切になってきているのではないでしょうか。

「質問フレーズの暗記」に終始するのではなく、「質問力を発揮する上で大切な事柄」(ヒトどうしのコミュニケーションとは一体どういったものなのかなど)について学ぶこと、(個人の好奇心を満たすために、相手から自分が欲しい情報を収集して終わりとするのではなく、目的達成・問題解決・意思決定に向けて、真実・解決策などを)「探求」していく具体的なマインドセットやスキルについて学び、グローバルにも活躍できる人材・組織になっていくことを選択される方とご一緒できる機会を楽しみにしております。

 

以上、今回は、「イノベーションのDNA」に関する、「弊社流『質問力』という切り口から見た私なりの意見」をご紹介してまいりました。弊社Google+ページでも、“Grow through Inquisitive Mind, Change through Dialogue and Questioning Culture”(探求心を持って成長しよう!ダイアローグと質問を奨励する文化を通じて変化をもたらそう!)と書いており、弊社では、「質問力」について「探求心」といった側面を強く打ち出しています。 あなたは、どのような印象をお持ちになり、何を考えられたでしょうか?

※「イノベーションのDNA」では、「質問力」と関係の深い、「実験力」に関する記述の中に、「仮説と検証の思考法を意識的に心がけなくてはならない」といった記述もありました。こちらに興味をお持ちの方は、「コンフリクト・マネジメント入門」の利用も検討なさってみてください。

感情によってステイト(心身状態)が乱され、望ましい状態に近づく適切な言動を選ぶのではなく、相手への反感や怒りによって言動を選ぶことが多い方とコミュニケーションを図る必要がある方などにも、好評をいただいております。

 

何か少しでもお役に立てれば幸いです。

それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪

 

※1 「要約」は著作権侵害、「要旨」は著作権の侵害にはあたらない

  • 要約:元の著作物の内容を短くまとめたもの(ダイジェスト版)であって、元の著作物を感得することができるもの(元の著作物の内容を、見たり読んだりしなくてもわかってしまうもの)→元の著作物の複製や翻案(二次的著作物)に該当するため、著作者の許諾がなければ著作権侵害となる可能性がある
  • 要旨:元の著作物を紹介する程度の簡略な文章などにより構成されるもの→著作権の侵害にはあたらない

 

※2 許諾なく利用できる「引用」について

「引用」については、「著作権法32条」で定められているため、詳細に関しては、そちらを確認していただくこととし、ここでは、弊社ニューズレターでの「引用」に関係する内容について、一部ご紹介することといたします。

32条にある「公正な慣行に合致」で大切なことは、引用の「必要性・必然性」だと解釈しています。つまり、自分の主張や論文の論旨を補強したり、他者の主張や論文について論評したりする場合には、引用の必要性・必然性があるものと判断します。
32条にある「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない」で大切なことは、「明瞭区別性」と「付従性」だと解釈しています。つまり、「引用して利用する著作物」と「引用されて利用される著作物」が明瞭に区別できること、そして、それらの間に「主従の関係がある」(「従」も「必要最小限の引用」であることが大切である)ことと判断しています。

ただし、引用対象が「商用コンテンツ」(映画、アニメほか)である場合には、「ブランド管理」や「版権ビジネス」というものがあることを考慮すべきであり、情報発信者が一方的に「研究なので、著作権者の許諾は不要だと判断した」などと主張するのは不適切であると理解しています。

※引用の際の「出所の明示」について関心をお持ちの方には、著作権法「48条1項1号」「48条1項3号」「48条2項」「122条」、「翻案等による利用」について関心をお持ちの方には、「43条」「48条」、「氏名表示権」について関心をお持ちの方には、著作権法「19条」などのご確認をお勧めいたします。

 

※3 「書評?意見?」類義語の整理

  • 書評=書物についての批評やその内容
  • 評価=対象の価値を判断すること
  • 批評=評価に至るまでの内容を論理的に述べたもの
  • 批判=評価した結果により、対象を正そうとする傾向のある内容
  • コメント=(事件や問題などの)対象についての解説や意見
  • 見解=公的な事柄についての考え
  • 意見=私的な事柄についての考え

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