昨日まで「専門家」、今日から「素人」の時代に 「自分の市場価値」を高める!(第136号)
こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。
今回は、題名通りの内容について、早速ご紹介していこうと思います。ご興味をお持ちの方は、どうぞ読み進めてください♪
脳がクラウドに繋がる時代でも、求められる人財でいるには?
2012年12月14日、日本では「ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき」などの著者としても知られるレイ・カーツワイルさん(64歳)が、「機械学習と言語処理」に重点的に取り組むエンジニア部門の責任者として、Googleに雇われたと公表して話題となったことがありました。…64歳の新入社員ですね。
カーツワイル氏は、「人類の知能は将来、『生物学的知能』と『機械的知能』の混成物になる」「2030年代には一般の人でも、自分の脳をコンピューター、ひいてはクラウドと接続できるようになる」という予測もされています。
そう言えば、現在、将棋のプロ棋士5人と5種類のコンピューター・ソフトによる団体戦「将棋電王戦」が開催中で、4月6日の第3局を終えた段階で、棋士側の1勝2敗となり、「コンピューターの論理的な思考力は、どれだけヒトに近づけているのか」などといった点からも注目が集まっていますね。(ちなみに、第4局は4月13日のようです。)
弊社Facebookページでは、2012年11月1日の投稿記事:「『グローバル人財』の『信頼性』と『信頼感』」で、「コンピューターやロボットや他の人(低賃金労働者)にできること」しかできない人財では、今後「お払い箱」となってしまう可能性が高いといった内容についても書いていましたが、カーツワイル氏の予測や将棋電王戦の話を踏まえても、こういった傾向が当たり前になるのは、そんなに遠くない将来の話ではないかと思えてきます。
日本英語検定協会の発表によれば、「小学校高学年での英語必修化の影響もあり、2012年度の実用英語技能検定(英検)志願者数が初めて20万人を突破し、大学生レベルの準1級に合格する小学生が2012年度は300人を超えた」とのことです。英語や各種情報端末は使いこなせて当たり前の人々が急増する中、まだ「グローバル人財になるんだと言って、英語学習だけやっている」のでは、どうやら自分の市場価値は上がりそうにありませんね。
では今後、(仕事観やキャリア意識が希薄な中高年を含めた)私たちが「自分の市場価値」を高めていくためには、どういったことに意識を向けていけばいいのでしょうか?
研究者には当たり前の考え方を、
キャリア・デザインや経営に適用する
書籍「ワーク・シフト」が有名になった頃から、いろいろな方が、「これからは、○○業界が伸びる」とか「○年後に生き残れる職種はこれだ」とか言い出しています。それぞれの視点に立てば、どれももっともな意見なのだろうと思うのですが、みんな一緒になって、ワーッと同じところを目指すようでは、「自分の市場価値」は高まらず、求められる人財にはなれないのではないかと思います。
結局は、「ナンバーワン」(Number One;大勢の競争相手がいる中で、少なくとも何かの判断基準で、最も優れていると見なされる)か、「オンリーワン」(One and Only;まだ競合のいない市場の創出や、既存市場における新カテゴリーの発見などを行うことで、独自の付加価値を創出する存在と見なされる)を目指すのが、「自分の市場価値」を高め、求められる人財になる道なのではないでしょうか?
参考:ニューズレター第96号でご紹介していた、盛田昭夫さん(ソニーの共同創業者)の言葉の一部を再度掲載しておきます。
「お言葉ではありますが、あなたと私がすべての問題についてそっくり同じ考えを持っているなら、私たち二人が同じ会社にいて、給料をもらっている必要はありません。その場合は、私かあなたのどちらかが辞めるべきでしょう。この会社がリスクを最小限に抑えて、どうにか間違わないですんでいるのは、あなたと私の意見が違っているからではないでしょうか。」
「『ナンバーワンかオンリーワンを目指す』なんて、私(たち)には、とんでもないことです!」とおっしゃる方に出会うこともありますが、例えば、「科学者はなぜ一番のりをめざすか」といった書籍もあるくらいで、大学や各種研究機関で何かの研究に携わったことがある方であれば、「ナンバーワンかオンリーワンを目指す」(…「○○で世界一」「史上初の○○」「他にはマネができない○○」などを目指す)というのは、何も特別なことでなく、いたって普通の考え方でしかありません。
また、必ずしも「世界」を視野に入れなくても、「ナンバーワンかオンリーワンを目指す」ことは可能ですし、これは、個人のキャリア・デザインだけでなく、組織の経営などにも適用できる考え方です。 身近な例の1つとしては、JR大森駅が最寄りの「ダイシン百貨店」が、「庶民の味方」×「半径500メートル以内、シェア100%主義」をキャッチフレーズに掲げ、各種メディアでも取り上げられているといったものがあります。 …店内に「足湯」があったり、オムツの8割を大人用にしていたり、(条件を満たせば)無料「宅配」のみならず無料「送迎」サービスまで提供したり、ダンスパーティーから結婚式まで実施できたり...と、利用者のさまざまな要望に応える「地域密着型」の経営姿勢で知られています。
いかがでしょう? 私は、「『ナンバーワンかオンリーワンを目指す』いう考え方を、自分のキャリア・デザイン、あるいは、自社の経営に当てはめるのを検討してみてはいかがでしょう?」とお誘いしているに過ぎません。 あなたは、「自分(たち)の市場価値を高めるために、ナンバーワンかオンリーワンを目指す」というアプローチについて、どのように感じられるでしょうか?
キャリア・デザインも不確実性な時代には、
「学習する力」が競争力となる!
これは、ある自動車メーカーに勤める技術者のお話です。
「内燃自動車」(ガソリン/ディーゼル自動車)を製造する会社の技術者は、機械工学・流体力学・触媒開発などの専門家としても知られています。 しかし一旦、所属組織が「ハイブリッド自動車」「燃料電池自動車」「電氣自動車」の製造に力を入れるという方針変更を行うと、これまでとは異なる専門分野(電氣・電子制御技術、モーターなどのデバイス研究、電池の材料研究ほか)を学ばなければならない事態に直面せざるをえなくなります。「できません」「やりません」と言っていれば、組織は、外部人財との入れ替えなども検討しなければいけなくなるというわけです。 このように、これまでと同じ「自動車メーカー」に所属しているにも関わらず、「昨日までは『専門家』だったけれど、今日からは『素人』という状況」が実際に起きていると聞いています。 まさに、「キャリア・デザインも不確実な時代」を象徴するお話ではないでしょうか?
私は、「キャリア・デザインも不確実な時代」であれば、キャリア上の目標をガチガチに決めておくこととは別に、(趣味や健康づくりなどとは異なり、高度な専門知識や技術を身につけたり、異分野の人々と学びを深め合ったりするような)「生涯学習の習慣」と、「メタ・コンピテンシー」(各分野におけるコンピテンシーを獲得する能力、学習する力)を身につける重要性がますます高まっているのではないかと考えています。
「学習が得意な人と苦手な人の最大の違いは、『学習対象を積極的に探求するかどうか』にある」と言われます。 本ニューズレターをご購読のみなさまであれば、弊社で「質問力 = 真実あるいは解決策を『探求』する能力」という定義を採用していることをご存じでしょうし、「行動的スキルとしての質問力」(ニューズレター第112号)、「『フレームワーク質問力®』は、メタ・コンピテンシー(コンピテンシー獲得能力)の一翼を担うものである」(ニューズレター第134号)といった切り口で、いろいろな話をご紹介してきていることもご存じではないかと思います。 (【 4月21日(日)まで早期申込み割引 】実施中の合同会社5W1H流「コーチング学習プログラム」は『フレームワーク質問力®』を基礎にしたより包括的な体系となっていますし、「生涯学習を身につける機会・場」としては、リーダー、コーチ、コンサルタント向け「変化促進研究会」や、視座を高め視野を広げ視点を適切に選ぶ力を育みたい人のための「教養醸成の会」を提供させていただいております。)
それほど先ではなさそうな「脳がクラウドに繋がる時代」「昨日までは『専門家』だったけれど、今日からは『素人』という状況が起こりうる時代」でも、「自分(たち)の市場価値を高めるために、ナンバーワンかオンリーワンを目指す」アプローチを可能にするため、「生涯学習の習慣」と「メタ・コンピテンシー」を身につけるというアイディアについて、あなたはどんな印象をお持ちになり、何をお考えになるでしょうか? あなたの「QOLの向上」にとって、何か少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪
P.S.1
といった変化・成長を起こすことを支援する「フレームワーク質問力®」に興味をお持ちであれば、是非、下記ウェブサイトから詳細をご確認ください♪
• 一般向け公開セミナーへの参加を検討されている方向け情報
• 企業研修のご依頼を検討されている方向け情報
P.S.2
利害関係や、業界の常識などから離れ、中立的な立場からの直言が可能で、かつ、思考のクセに氣づいて人や組織を望ましい状態に向けて変化させることのできる「コーチング」を学びたいという方は、是非、下記ウェブサイトから詳細をご確認ください♪
• 合同会社5W1H流 「コーチング学習プログラム」
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