なぜ、『コミュニケーション系研修』の『最後の砦』と言われるのか?(第180号)
今回は、ある企業の研修終了後、研修担当者の方から、「『フレームワーク質問力®』は、『コミュニケーション系研修』の『最後の砦』ですね」と言われたことをきっかけに、関係者と話して整理した内容についてお伝えすることを通して、改めて、合同会社5W1Hの紹介を試みてみようと思います。
なめるな!投げるな!コミュニケーション学習
冒頭で『コミュニケーション系研修』(各種『コミュニケーション能力』を高めるために実施する研修)という言葉が出ていました。 これまでのニューズレター記事で何度もお伝えしてきているように、「同じ言葉を用いているのに、関係者によって、その言葉が指している内容が異なることがある」ことは日常茶飯事ですので、この記事ではどういった意味で『コミュニケーション能力』という言葉を用いるのか、最初に整理しておこうと思います。
- 公表された情報源から、目的や目標の達成に有用な情報を引き出す能力
- 会話や文章を通して、意思疎通を図る能力
- 対話やインタビューを通して、学習する能力
- 個々の情報のつながりや概念を、図解する能力
- 立場や意見の違いを基に議論を行い、全体最適の問題解決や意思決定に導く能力
- コンピューターやインターネットをはじめとする、情報処理機器を扱う能力
- 言葉だけでなく、態度や行動を通して、周囲に影響を与える能力
- 目的や目標の達成に向けて、適切な「意味のやり取り」を行う能力
図表1:『コミュニケーション能力』の言語化・定義
(ニューズレター第101号より再掲)
レベル1:相互交流のコミュニケーション(伝える&尋ねる) |
(例)3つのたたき台の内、2番目の内容を、当社のマーケティング資料に採用するということでよろしいでしょうか? など |
レベル2:立場を踏まえたコミュニケーション(意見を主張する&役割に基づき質問する) |
(例)3つのたたき台の内、私は2番目の内容に興味を持ちました。 あなたはどうでしたか? 2番目を採用するというのはいかがでしょう? 2番目の案に基づいてプロジェクトを進めることへの懸念などがあればおっしゃってください。何か思いつかれるでしょうか? など |
レベル3:変革をもたらすコミュニケーション(視点を共有する&納得解を発見する) |
(例)マーケティングや営業の活動を進める上で、どの案が最も望ましい成果を上げそうだと思われますか? 他の方々の意見をうかがった今、改めて、この打ち合わせを進める上で、プロジェクトを成功させるための条件として、どんな事柄について検討しておくことが重要だと思われますか? 私たちが置かれた状況を踏まえ、プロジェクトの成功イメージとして、どういった内容のものを共有しておくことが望ましいでしょうか? 採択案を決定する前に、さらに掘り下げて検討しておいた方が良さそうな事柄は、何かありそうでしょうか? など |
図表2:コミュニケーションの3つのレベル
(ニューズレター第161号より再掲)
[ 出典:『Conversational Intelligence: How Great Leaders Build Trust & Get Extraordinary Results 』Judith E. Glaser著を基に、合同会社5W1Hにて改変 ]
図表1や図表2のような整理の仕方もありますが、今回の記事で用いる『コミュニケーション能力』という言葉は、「適切な人間関係を構築・維持する」などといった「社会人一般に常識的に求められる基礎的な対人スキル」を超えて、『経営や事業の持続的な繁栄』に必須の下記のような内容を指しています。
関係者の動機付けを行ったり、部下を育成したり、事業環境や人間関係などといったコンテクスト(状況、背景)の分析を行ったうえで適切なメッセージ・媒体・タイミングについて考慮して情報発信したり、社内外のステイクホルダー(利害関係者)のニーズや関心についての理解を深めたり、チームの目標達成のために他者を巻き込んで仕事を進めたり、組織や部門を横断するプロジェクトを進めたり、コンフリクト・マネジメントを行ったり、組織変革への抵抗を乗り越えるために効果的な対話を行ったり…することが可能な能力
また、私は、『エグゼクティブ・コーチ』『人財育成・組織開発コンサルタント』『研修講師』など、仕事内容によって自分の役割を変えているのですが、今回の話は、『企業研修』に関する内容ですので、『研修講師』としての役割に特化して解説していこうと思います。
さて、準備が整いましたので、『コミュニケーション系研修』の話に戻りましょう。 実は、経営者や人財育成・組織開発担当者と話が噛み合わない場合の多くは、上述の『コミュニケーション能力』の定義に違いがあります。
日本企業の多くの人は、「コミュニケーション研修」と聴くと、「社会人一般に常識的に求められる基礎的な対人スキル」を身につける研修を思い浮かべ、「下級管理職(junior manager)や中間管理職(middle manager)くらいまでの『若手向け』研修メニュー」であると判断しがちです。
ところが、話題に上っている『コミュニケーション能力』が、『経営や事業の持続的な繁栄』に必須の内容(…MBA取得コースなどでも教えられるような内容)であることをお伝えして初めて、「中間管理職(middle manager)はもちろん、上級管理職(senior manager)や経営者までを含めた人物が対象となる研修メニュー」であることを理解していただけるのです。
『なめるな!投げるな!コミュニケーション学習』という表現でお伝えしたかったのは、次のような内容です。
●コミュニケーション系の学習内容は、社会人としての基礎的素養を身につけるものとは限らず、『上級管理職や経営者にとっても役立つ、深い内容』のものがある。 『自分はできている』(学ぶ必要はない)と思っている人ほど、案外できておらず、部下が身につけて欲しいと願っている大切な内容であることも多い。
…『なめるな!コミュニケーション学習』
●研修担当者と話すと、『50代・60代なんて、頭が固くて融通が利かないので、研修に参加させるのをあきらめています。 次代を担う人を育てようと思うのですが、30代後半、40代になってくると、プライドが高くて演習で恥をさらしたくないと考え出す人も出てきます。』といった声を聴くことがあります。 しかし、経営幹部や人財育成・組織開発の担当者には、長期的な視点に立って、『コミュニケーション能力』が、『経営や事業の持続的な繁栄』に必須の内容であることを関係者に理解していただくために知恵を絞り、あの手この手で努力をすることが求められるのではないでしょうか?
…『投げるな!コミュニケーション学習』
いかがでしょう? あなたが所属しておられる組織では、「なめずに、投げずに」コミュニケーション能力の向上に役立つ活動を導入されているでしょうか?
『最後の砦』と呼ばれる理由…3つの切り口から
前段での話で、『コミュニケーション能力』の向上は、『経営や事業の持続的な繁栄』に必須であることをご理解いただけたのではないかと思っています。 そこで、いよいよ、「『フレームワーク質問力®』は、『コミュニケーション系研修』の『最後の砦』ですね」と言われた理由について、次の3つの切り口から見ていこうと思います。
☞理由1:『フレームワーク質問力®』の内容
☞理由2:他社との研修方針の違い
☞理由3:講師の特長
☞ 理由1:実践的で効果的なコミュニケーション系学習の基礎はすべて網羅している
合同会社5W1Hは、『言葉ではなく、意味をやり取りするというコミュニケーションの本質』『クリティカル・シンキング(※1)』『対人スキル』など、『コミュニケーション系研修での習得が期待される核心的内容の基礎すべて』を包含した『フレームワーク質問力®』を主軸において、人財育成・組織開発のサービスを展開する唯一の会社です。
※1 クリティカル・シンキング(Critical Thinking)とは、厳密かつ建設的な思考、シビアかつポジティブな考え方を指しています。
有名検索エンジンがプログラムを書き換えても、合同会社5W1Hのウェブサイトは、『質問力』関連キーワードで常に上位表示されます。 なぜなら、2015年9月時点において、『質問力』関連記事を約1000ページ分公開しているからです。 検索エンジンは、情報検索する人が欲しがる情報が書いてある適切なページを上位表示しようと努力してくださっています。 そのため、弊社は検索エンジンを提供されている会社を信じ、小手先のSEO対策などを一切行わず、淡々と、みなさまに役立つ情報を発信し、蓄積していっています。 その結果としての上位表示なのです。
「特定の場面で、暗記していた特定の質問ができる」だけでは、『質問力』があるとは言えません。 弊社では、「真実・解決策・新たな可能性を探求する能力」および「『事業内容や事業環境の変化に応じて求められる新しい能力』を身につける能力」のことを『質問力』と呼んでいます。 そして、人財育成・組織開発・リーダーシップ・マネジメント・企業文化の醸成・コーチング・営業・交渉・説得・相談など、『思考法とコミュニケーション』に関係する幅広い内容について、『質問力』の切り口から書いた記事の『質と量』で、他社の追随を許さない自信があります。 是非、ウェブサイト公開記事(無料ニューズレターのバックナンバーほか)をご自身の目で確認なさってみてください。
☞ 理由2:『関係者が納得できるように、主体的に物事を望ましい方向に変えていく』といった、『世界のどこでも通用するコミュニケーション力を備えた人財』の育成を志向している
『労を節約して、功を急ぐ風潮』を助長する研修会社が多い中、弊社は、下記のような人財の育成、および、(こういった人財で溢れた)下記のような組織を増やすさまざまな支援を行っています。
- 世界のどこに行っても、どんな業界に行っても、どんな状況になっても、さまざまな制約条件がある中で、必要な情報を集め、知恵を絞り、実際に行動して、たくましく生き残り、素晴らしい成果を上げる人財
- 「状況に対応しつつ学習する能力」が高く、どんな状況にあっても、結局は「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人財
- 自分なりの世界観・歴史観・人間観に根ざした考え方を持ちつつも、氣負わずに等身大で自己表現でき、それでいて、周囲に幅広く意見を求め、価値観・信念の違いを超えて一緒に対話・協働していこうと相手に感じてもらえる人財
- 多様な考えの化学反応を促進することで、適切な課題を設定し、目的達成に向けて、関係者を巻き込みつつ、目の前のことに、とことん一生懸命に取り組める人財
- 戦略を実行できる組織、イノベーションを興す組織、持続的に発展する組織
上記を可能にするため、特に、下表右欄に挙げたような側面に力を入れた研修を提供しています。
一般的な研修会社が力を入れる側面 | 合同会社5W1Hが、より注力する側面 |
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画一的・他律的な学び | 個別的・自律的な学び |
学習者は、「講師(陣)によって、しっかり練りこまれた学習課程を、無批判で効率的に吸収していく」という「一方向の講義」によって、一定のカリキュラムを効率的にこなしていきます。 | 学習者が、「自分(たち)で状況分析や課題設定を行い、目的達成や問題解決を進める過程で、創造的な発想や実験を行いつつ、望む成果を追求できるようになる」ための学び(※2)を支援します。 |
専門化の傾向 | 統合化の傾向 |
分析的・要素還元的な方法論を用いて、特定の専門分野の学びを深めていきます。日本あるいは世界で有数の存在になることが望ましいとされます。 | 分野横断的な問題が増えてきている状況の下、異分野間の知識や技術・異能の人財や組織を統合して価値を創出し合うコミュニケーションが必須です。 |
コンピテンシー(Competency) | メタ・コンピテンシー(Meta-Competency) |
特定の仕事において、安定的に高い業績をあげている人財に共通して見られる行動特性;成果創出能力を重視します。 | 「真実・解決策・新たな可能性を探求する能力」、「『事業内容や事業環境の変化に応じて求められる新しい能力』を身につける能力」としての『質問力』を重視します。 |
相手に勝つための議論 | 関係者すべての納得を狙う『協創対話』 |
相手の立場・利益・感情・互いの関係などに配慮しつつも、視点は固定したままで、「いかに自分(たち)の描く結論に向けて、相手を説得するか」に意識を向けています。 | 視点変更を促す質問を活用し、「真実・解決策・新たな可能性を探求するための、関係者との粘り強い対話」で、新たな道を切り拓いていきます。 |
例題をなぞる演習 | 現場の問題を扱う演習 |
演習では、講師が事前に入念に検討した「正解」がある例題を扱い、お決まりの解説を行います。「講師が受講者に教える」というスタイルです。 | 演習では、誰も「正解」を知らない、受講者が現場で直面している問題を扱います。講師は、本人の思考の深化・拡大や、演習仲間との相乗作用・メタ認知学習を促進します。 |
※2 例えば、「従来の常識や権威者の意見にも疑問を投げかける精神」、「相反する複数の視点に立って物事を考え、自分なりの意思決定を行う能力」、「価値観の異なる人々を束ねて動かすコミュニケーション」などの習得や普及を指しています。
☞ 理由3:視点変更を促進する質問で、ブレイクスルーを支援する講師である
コミュニケーション系研修では、多くの講師が、人文科学系・社会科学系出身です。 一方、合同会社5W1Hの講師は、自然科学系出身(ナノテクノロジー・材料科学分野で博士号取得)であり、図解・数量化・システム思考なども織り込んだ、明快な研修を実施します。
また、民間企業、非営利組織、政府機関、起業といったキャリアも踏まえ、(産・学・官、経営者から一般社員、研究職から営業職などの)異なる立場や、分野横断的な視点で考えることに慣れており、研修受講者の視点変更を促すことが得意です。 そういったことがあってか、「コーチングの進め方に困ったコーチのコーチングを行う」など、「コーチのコーチ」「トレーナーのトレーナー」といった形で、難しい案件の解決に協力することがあります。
さらに、英語書籍の研究会(変化促進研究会)や日本語書籍の読書会(教養醸成の会)ほかで仕入れた、外国の最新情報、歴史、哲学、科学、技術、社会、経済、伝記、諸芸などの知識を駆使して、研修受講者との価値の協創を心掛けています。 具体的には、さっき誰かが演習で用いた話を別の文脈での解説に用いたり、一連の質問を通して、前日や当日に見聞きした話題が、いかに普遍的な学習内容と関係しているのかを具体的に示したりするなど、一方的な知識の伝授だけで終わらず、双方向の対話による新規価値の創出を心掛けています。
冒頭の話に戻ると…研修関係者との話を整理してみると、ここまで見てきたような下記の3つの理由が絡まり合って伝わった結果、「『フレームワーク質問力®』は、『コミュニケーション系研修』の『最後の砦』ですね」という発言が生まれたのではないか?という結論になりました。
☞ 理由1:『フレームワーク質問力®』には、『コミュニケーション系研修での習得が期待される核心的内容の基礎すべて』が盛り込まれている
☞ 理由2:『個別的・自律的な学び × 統合化の傾向 × メタ・コンピテンシー× 関係者すべての納得を狙う協創対話 × 現場の問題を扱う演習』という研修方針を採用している
☞ 理由3:『視点変更』を促進し、『協創』を志向する講師である
あなたは、あなたがご存知の研修、実際に参加されたことのある研修と、『フレームワーク質問力®』研修との間には、どんな違いがありそうだと感じられたでしょうか?
弊社では、『フレームワーク質問力®』を基盤とし、さらに『コミュニケーション能力』を体系的に高めるものとして、『合同会社5W1H流コーチング学習プログラム』もご用意しております。 興味をお持ちの方は、下記の内容を確認なさってみてください♪
●9月12日(土)スタート
合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』
目的達成・問題解決・意思決定・新たなヴィジョンの構築・ヴィジョン実現に向けた様々な取り組みに有用な、コーチングのマインドセットとスキルに関する知識習得および実践演習(合計:84時間)で構成されたプログラムです。
「いきなり上記に参加するのは少し抵抗がある」方には、下記シルバーウィーク中の『フレームワーク質問力®』にご参加いただくという手もあります。
…内容に満足され、合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』の全体を学びたいと思われましたら、翌月の「DAY 3」分から、編入が可能となっております。
●9月19日(土)~23日(水)
シルバーウィーク:特別セット割引
『フレームワーク質問力®』
『ファクト・ベイスト・フィードバック』
『2日間コーチング漬け体験』
から、いくつかお選びいただけます。
【 特に、遠方にお住まいの方に朗報です♪ 】
これまで、交通費、宿泊費を考えて、なかなか東京で開催するセミナーに参加するのが難しかった方を応援します!『ペア割』などもご利用の上で、ご参加いただければ幸いです。
さて今回は、ある企業の研修終了後、研修担当者の方から、「『フレームワーク質問力®』は、『コミュニケーション系研修』の『最後の砦』ですね」と言われたことをきっかけに、関係者と話して整理した内容についてお伝えすることを通して、改めて、合同会社5W1Hの紹介を試みてみました。
今回の記事をお読みになって、あなたはどんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 周囲の方々とお話になってみてくださいね。
『フレームワーク質問力®』や『合同会社5W1H流コーチング学習プログラム』に関心をお持ちの方と、ご一緒できるのを楽しみにしております!
それでは、次回のニューズレターでまたお会いしましょう♪