人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

「『行動定着』を目指した『工業社会』」を超えて;『マネジメント心理学』(第177号)

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こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。

前号では、Facebookページ記事:『2極化する人事評価』と『コミュニケーションROI』に関して、『人事評価廃止』の切り口からお伝えしていました。 今回は、さらに別の切り口から、『コミュニケーションROI』について考えていこうと思います。

 

まだ、『行動定着』や『均質な人財の育成』にばかり取り組みますか?

かつて、『見たり触ったりしてもらえれば売れる、高品質の商品を、大量に、安く、生産して売る』ことが産業の大黒柱だった『工業社会』の時代には、社員に、『特定の場面で、特定の決まった行動を取って欲しい』と考えて、『行動定着』や『均質な人財の育成』を狙った施策が大切でした。

もちろん今でも、電氣・ガス・水道といった安定運用が大切なインフラ系などに代表される一部の業界と、業界未経験の若手にとっては、『行動定着』や『均質な人財の育成』の重要性は変わらないのかもしれません。

しかし、日本のように『成長期から成熟期に入った社会』、『ポスト工業社会』(…知識社会、知性・感性・智慧が大切な社会など、表現はさまざま)の地域では、『価値観が多様な人々』向けに、新しいシステムや、新しいコンセプトに基づく体験やサービスなどといった、『見たり触ったりできない商品』の価値や意味を理解して購入していただかなければならないようなビジネスが増えてきています。

こうした産業構造の変化も影響してか、『行動定着』(機械やロボットのように、特定の場面で、特定の決まった行動を取ること)にとどまらず、『お客様とのやり取りを通じて、自分で考えて動ける人財』を育成するニーズが強くなってきています。

また、先日の記事:「『2極化する人事評価』と『コミュニケーションROI』」でも書いていたように、『社員個々人の価値観と、組織の方向性のすり合わせを適切に行うことができる』『迅速に、核心を突いたフィードバックができる』『新たな発想を促す会議を実施できる』など、『経営幹部、リーダー、マネジャーにふさわしい【 高い質 】を伴ったコミュニケーション』の習得が求められるようになってきています。(※)

※参考記事
1) 続・「何を管理するのが管理職?」~戦略・戦術と知性の種類編~
2) テクノロジー×キャリア; 病院×AI×ホスピタリティ

 

『コミュニケーション研修は、若手向けのものだ』という認識は、『社会人の素養としての基礎的なコミュニケーション』をイメージしてのものであり、前号から引き続きお伝えしてきている『コミュニケーションROI』の重要さを踏まえた認識ではありません。 『できません』『無理です』という相手を巻き込んでプロジェクトを進めるなどといった内容も含む、むしろ、経営幹部や管理職、リーダーやマネジャーといった役割を担う人にとっての重要性が増しているのが、前号から続けてお伝えしてきている『コミュニケーション研修』だ(…リーダーシップやマネジメントというのはコミュニケーションの一形態に過ぎない)とご理解ください。

あなたが所属される組織では、ビジネス・シーンにおける『質の高いコミュニケーション』を実現するために、どのような形で取り組まれているでしょうか?

 

4種類の『マネジメント心理学』とは?

ここでは、前段の『行動定着』の話と『コミュニケーション』の話を関連づけて見てみましょう。

『行動定着』について、『機械やロボットのように、特定の場面で、特定の決まった行動を取ること』と書いていましたが、これを『コミュニケーションという切り口』から表現し直すと、『特定の場面で、マニュアル通りのフレーズを口にすること』あるいは『相手の関心や反応に意識を向けることよりも、既定の話の流れに沿う(落とし所に向かう)ように、相手を誘導することに意識を向けて話すこと』といった形になります。
果たして、こういったアプローチのコミュニケーションだけを学んで、「『コミュニケーション研修』は卒業した!」と思っていて良いのでしょうか?

今度は、「コミュニケーションの基盤として採用している『心理学』」という切り口から見てみましょう。 図表:4種類の『マネジメント心理学』をご覧ください。

4種類の『マネジメント心理学』

図表:4種類の『マネジメント心理学』
合同会社5W1H独自の定義です。

 

『行動定着』を目指すアプローチの基盤となっているのは、左上の行動主義心理学です。 理解のしやすさを優先して極論するなら、「『工業社会』の『科学的管理法』などと相性の良い、『アメとムチの心理学』」といった表現になるかもしれません。

一方、『ポスト工業社会』の仕事では、『目的や状況、相手などに合わせ、上記の4種類の心理学を切り替えて用いたり、組み合わせて用いたりするコミュニケーション』が、現実的であり、有効なのではないでしょうか?

弊社では、こういった考え方に基づき、『目的や状況、相手などに合わせて柔軟にアプローチを変えるコミュニケーション』が学べる各種プログラムを提供してきています。 それらすべてのプログラムの基盤となっているのが、

  • 言動の不一致などから、本人も言葉にできていないウォンツを捉える『観察力』
  • 課題を設定し直し、事前の期待を超えた付加価値を協創する『質問力』
  • 先入観で話を進めず、確認を重ねて納得解を探求する『クリティカル・シンキング

などを包含した、『フレームワーク質問力®』と、それを土台にした『合同会社5W1H流コーチング学習プログラム』  です。

『コミュニケーションROI』を向上させる手段はいろいろありますが、あなたが所属されている組織では、どういった取り組みをされているでしょうか?

『社員個々人の価値観と、組織の方向性のすり合わせを適切に行うことができる』『迅速に、核心を突いたフィードバックができる』『新たな発想を促す会議を実施できる』など、雑談レベルにとどまらない、骨太の『経営幹部、リーダー、マネジャーにふさわしい質を伴ったコミュニケーション』の習得に興味をお持ちでしたら、是非、下記の機会の活用も検討なさってみてください♪

●6月21日(日)まで、15%の早割実施中!
合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』
初心者から、グローバルに活躍するマスター・コーチ、経営幹部、コーチ型組織のマネジャー、各種コンサルタントまで。

6月27日(土)~28日(日)
7月02日(木)~03日(金)
『フレームワーク質問力®』セミナー
「この内容が身につけば、他のコミュニケーション系の研修は一切不要!」という受講者も!!

『変化促進研究会』
【7月からは「部下の行動を変えたい」方向け、9月からは「企業文化・組織改革」に興味をお持ちの方向け】
やる氣があれば、英語力は問われません。継続的に、一定量の英文に触れる仕組みをお探しの方にも!

●7月15日(水)
『実務に活かし対話!(入門編)』
あれこれ学んでも、実務に活かせなくては意味がない! …貴組織への「人財育成・組織開発コンサルティング」導入の検討機会としてもご活用いただけます。

●7月23日(木)、チームで人財を育成する!
『ファクト・ベイスト・フィードバック』セミナー
現場・面談で主体的に学び合い、業績向上につなげるコミュニケーション。

また、図解の多用・挑発的な質問による協創などの特長を持つコーチングの企業研修への導入を検討されている方、学ぶのではなく自分/組織でコーチングを活用することを検討されている方は、下記ページで、より詳細な内容について確認なさってみてください♪

企業向けのコーチング研修
…企業内コーチ、マネジャーの育成にも!

●エグゼクティブ・コーチング
…利害関係のない専門家を活用!

パーソナル・コーチング(ライフ・コーチング)
…大学でキャリア講義も行うコーチが実施!


さて今回は、Facebookページ記事:『2極化する人事評価』と『コミュニケーションROI』に関して、まだ、『行動定着』や『均質な人財の育成』にばかり取り組んでいていいのか?、『行動主義心理学』ばかり学んでいていいのか?といった切り口から、『コミュニケーションROI』について考えて参りました。 

今回の記事をお読みになって、あなたはどんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 周囲の方々とお話になってみてくださいね。 『コミュニケーションROI』の向上に関心をお持ちの方と、ご一緒できるのを楽しみにしております!

それでは、次回のニューズレターでまたお会いしましょう♪

P.S.
もし、あなたが所属される組織で、人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』/産労総合研究所 を購読されているようでしたら、2015年6月号に、弊社代表の高野の記事『人財を伸ばし、束ね、組織能力を高める』が掲載されておりますので、ご覧になってみてください。(これまでのニューズレターなどでは触れていなかった、高野の個人史的な部分も少し明かされています。)

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