人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

『人事評価』に代わるものとは?(第176号)

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こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。

先日のFacebookページ記事:『2極化する人事評価』と『コミュニケーションROI』に関して、複数の方から類似したお問い合わせをいただきました。 人事評価の件を含む、個々の話題についての詳細は、【無料開催】の『HCS懇談会(経営-事業-人財育成-組織開発の懇談会)で、参加者の方々とお話できればと思っていますが、ニューズレターでも、なるべく簡潔に、補足情報をシェア差し上げようと思います。

 

『人事評価廃止』への賛成意見・反対意見

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(「The Trouble With Grading Employees」by RACHEL FEINTZEIG)や、人財育成・組織開発関連の情報誌などでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、最近では、等級付け(格付け)や成績評価、年度末評価など、各種『人事評価』を廃止する動きが出てきています。 『人事評価廃止』に関する、現時点の主な賛成意見、反対意見は、表:「『人事評価廃止』への賛成意見・反対意見」に挙げたようなものとなっています。

表:『人事評価廃止』への賛成意見・反対意見

廃止に賛成廃止に反対

●これまで、被評価者(部下など)に数値評価を伝えてきた結果、明確に業績向上につながっているとは見なせない。業績と評価の関連性が薄い。(…「業績評価では、ビジネス環境の変動や、特定の施策を実施してから効果が現れるまでに時間差が生じることに配慮しない形で、数値評価を用いている」などといった側面も影響) 

● 評価システムが複雑で、莫大な時間と人件費をかけるだけの価値はない。

●評価システムは、社員の不安を煽ったり、社員間の連携を妨げるなど、被評価者に嫌われているうえに、余計なストレスで仕事への取り組み意欲が低下するといった悪影響が指摘されている。

●客観的な業績データよりも、評価者(上司など)の主観的判断(…辞めて欲しくない、平均点をつけておけば嫌われずに済むなど)が強く反映されている。評価者によるバラツキも大きい。

●低い評価を受けた社員の中に、奮起するよりも、組織への貢献度を低下させる者が出てくるといった悪影響がある。 

● 試験的に評価をやめてみたところ、面談相手が自己防衛的にならず、話の主要な内容が「個人の成長や組織への貢献に関して、お互いに何ができるか」といった建設的なものとなり、熱心に話し合うことができた。

など

●職場から、健全な緊張感が失われてしまうのではないか。

●適切な言動修正の機会が失われてしまうのではないか。

など

一部の企業では、『延べ十数万時間&数億円/年の人件費が必要な人事評価を廃止する』代わりに、『毎月定期的にコーチングを実施し、さらに、上司と部下の間で頻繁に対話する機会を設ける』というアプローチを採用し、確かな手応えを感じ始めているようです。

また、予算や評価者の負担といった側面の他にも、「自分が想定していた評価と、上司などの評価者による評価との間で食い違いが大きい場合に生じるストレスが大きい(&それを解消する機会が設けられていない)」といった被評価者側の意見もあって、人事評価制度を廃止する企業が増え始めているようです。

先日のFacebookページ記事でお伝えしていたように、「人事評価を精緻に行う」ことでうまくいく企業がたくさん存在することも事実です。 ただ、このやり方がうまくいくには、「人事評価の役割や効果に対する肯定的な意識が、社員の間で隅々まで共有されている」などといった条件をいくつか満たす必要があると、私は考えています。 

そのため、いわゆる『グローバル企業』のように、価値観や教育レベルなどが多様な人々から成る企業では、『従来型の人事評価を精緻に行うより、廃止してしまうアプローチ』(…業績と報酬の結び付け方などに関しては、大幅に現場に権限を移譲する;コーチングやフィードバックを密に行うなど)を選び、手探りで『自社に合った方法を確立しよう』と動き始めているのではないか?と見ています。

こうした解釈に基づくと、人事評価を精緻にするにしても、廃止するにしても、『コミュニケーションROI(投資対効果)』を向上させることが、『経営幹部、リーダー、マネジャーなど』にとっての喫緊の課題となってきます。

  • 訓練を受けた外部コーチによる、1対1のエグゼクティブ・コーチン
  • 経験豊かなリーダーによるメンタリング
  • プロジェクトやチームのメンバーどうしによるピア・コーチン
  • 人事関連部署の専門家による、組織内の個人・対人関係・グループ向けのHRコーチン
  • 自分の頭で考えて動く部下を育成する、マネジャーによるコーチン
  • 各種ITシステム・ツールを用いて、個々人の目標達成の進捗を把握しつつ行う随時フィードバック
  • 部署やチームの機能を向上させるために行う、チーム・コーチング/グループ・コーチン

など、『コミュニケーションROI』を向上させるにもいろいろありますが、あなたが所属されている組織では、どういった取り組みをされているでしょうか?

『社員個々人の価値観と、組織の方向性のすり合わせを適切に行うことができる』『迅速に、核心を突いたフィードバックができる』『新たな発想を促す会議を実施できる』など、雑談レベルにとどまらない、骨太の『経営幹部、リーダー、マネジャーにふさわしい質を伴ったコミュニケーション』の習得に興味をお持ちでしたら、是非、下記の機会の活用も検討なさってみてください♪

●6月21日(日)まで、15%の早割実施中!
合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』  
初心者から、グローバルに活躍するマスター・コーチ、経営幹部、コーチ型組織のマネジャー、各種コンサルタントまで。

6月27日(土)~28日(日)
7月02日(木)~03日(金)
『フレームワーク質問力®』セミナー  
「この内容が身につけば、他のコミュニケーション系の研修は一切不要!」という受講者も!!

『変化促進研究会』
【7月からは「部下の行動を変えたい」方向け、9月からは「企業文化・組織改革」に興味をお持ちの方向け】
やる氣があれば、英語力は問われません。継続的に、一定量の英文に触れる仕組みをお探しの方にも!

●7月15日(水)
『実務に活かし対話!(入門編)』
あれこれ学んでも、実務に活かせなくては意味がない! …貴組織への「人財育成・組織開発コンサルティング」導入の検討機会としてもご活用いただけます。

●7月23日(木)、チームで人財を育成する!
『ファクト・ベイスト・フィードバック』セミナー
現場・面談で主体的に学び合い、業績向上につなげるコミュニケーション。

また、図解の多用・挑発的な質問による協創などの特長を持つコーチングの企業研修への導入を検討されている方、学ぶのではなく自分/組織でコーチングを活用することを検討されている方は、下記ページで、より詳細な内容について確認なさってみてください♪

企業向けのコーチング研修
…企業内コーチ、マネジャーの育成にも!

●エグゼクティブ・コーチング
…利害関係のない専門家を活用!

● パーソナル・コーチング(ライフ・コーチング)
…大学でキャリア講義も行うコーチが実施!

さて今回は、Facebookページ記事:『2極化する人事評価』と『コミュニケーションROI』に関して、補足説明を差し上げました。  『経営戦略、事業戦略』『人財育成と組織開発』に取り組まれている方々にとっての、何かのヒントになれば幸いです!

今回の記事をお読みになって、あなたはどんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 周囲の方々とお話になってみてくださいね。 『コミュニケーションROI』の向上に関心をお持ちの方と、ご一緒できるのを楽しみにしております!

それでは、次回のニューズレターでまたお会いしましょう♪

P.S.
もし、あなたが所属される組織で、人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』/産労総合研究所 を購読されているようでしたら、2015年6月号に、弊社代表の高野の記事『人財を伸ばし、束ね、組織能力を高める』が掲載されておりますので、ご覧になってみてください。(これまでのニューズレターなどでは触れていなかった、高野の個人史的な部分も少し明かされています。)

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