人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

「『能力』より『意識』の差」の方が大きい?(第142号)

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こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。 時折、「私は能力がないので...」「私は頭が良くないので...」などと言ってしまう人(が周囲にいる人)に出会うことがあって、そのたびに「そういうことじゃ、ないかもよ?」と思って、その相手と話をすることがあります。相手の方によって、話の方向は変わっていくのですが、今回のニューズレターでは、そういった話のとっかかり部分について、前号でお示しした図表を再度用いて私の考え方をご紹介してみようと思います。興味をお持ちの方々に目を通していただければ幸いです。

個人の「能力」差は、数%~数倍程度では?

人財育成評価軸の一例:「パフォーマンス」×「ポテンシャル」/「コンピテンシー」×「メタ・コンピテンシー」

※ メタ・コンピテンシー
詳細は、ニューズレター第134号:「成り行き任せのリーダー育成;人財の有用性≠コンピテンシー」をご確認ください。

図表4:人財育成評価軸の一例:
「パフォーマンス」×「ポテンシャル」/「コンピテンシー」×「メタ・コンピテンシー

(第141号図表4を再掲)

もしかすると、一部の「ベスト人財」は別格で、挑戦的な課題や機会などを用意し、目的に応じて適切な環境などを整えておけば、勝手に成長していくのかもしれません。
しかし、大半の人にとっては、【 個人の能力差など、数%~せいぜい数倍 】なのではないでしょうか?

例えば、同じ建物にいる2人が同じコーヒー豆を使ってコーヒーを作ったとき、片方の人のコーヒーは500円の値段で受け入れられ、もう片方の人は5000円の値段で受け入れられるという状況は、想像しにくいのではないでしょうか?(…2人の容姿やコミュニケーション能力などといった側面で、大きな違いはないものと仮定しましょう。)

同様に、ランチにパエリアを注文した時、同じ調理器具などを用いているAのお店と比べ、Bのお店では10分の1の時間でテーブルに届くといった状況も想像しにくいのではないでしょうか?

あなたの職場での「生産性などの違いと、個人の能力の違いの関係」「パフォーマンスとコンピテンシー(※2)の関係」について考えてみた場合は、いかがでしょう?

※2  コンピテンシー(能力、職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性のこと)については、第134号<成り行き任せのリーダー育成;人財の有用性 ≠ コンピテンシー>の回などをご参照ください。

 

お客様が感じる「価値」の違いを生むものは?

では、「創出される価値」「体験の価値」「独特のセンスや個性が生み出す価値」などについて考えてみると、どうでしょう?

値段や味は大して違わないのに、「一度しか行かないお店」と「何度か繰り返し利用するお店」があったりしませんか?

購入者や利用者に対する「心遣い」や「対応者の態度」、「場の雰囲氣」など、何か【 定量化するのが難しい部分での差異 】が、「一回だけのお客様」と「リピートしてくださるお客様」の違いを生んだりしていないでしょうか?

もし、似通った製品・サービスを提供しているのであれば、【 お客様による主観的な解釈・評価によって決まる「価値」】の違いは、数十倍どころか、「次元の違い」として捉えられることがあるくらいの大きな違いとなって受け取られてもおかしくないと思います。 そして、そうした段違いの価値の相違というのは、時には、「マニュアル通りでロボットのようなお辞儀」と「心のこもったお辞儀」のような、些細にも思える違いから生じているのかもしれません。

また、「できない理由を見つけて、正当化するのが得意な『専門家』」と「前向きに、可能にする方法を見つけようとあらゆる手を尽くしてくれる『目的達成・問題解決支援者』」に接した場合、お客様の氣分を良くし、満足・感謝・感動などを生み出しやすいのは、どちらの対応でしょうか?

人財育成の場面では、「能力」評価の陰に隠れて、(客観的な評価の難しい)社員の「意識」について顧みられることが極めて少ないように思います。

「能力よりも意識」、もっと言うならば「能力よりも覚悟」「能力よりも真摯な想い」が強い人財の方が、中長期的に見て、お客様や自組織にとって大きな貢献をするということは考えられないでしょうか? そして実例を省みると、多くの場合、意識が高くて成長が期待できる人財は、やがて、能力面においても、当初有能だとみなされた人を超えていく(カメがウサギに勝つ)可能性が高いと信じています。

今後の成長を期待するのは難しいけれど即戦力となる「能力が高いけれど、意識が低い人」を雇うのと、「今現在の能力は低くても、意識が高くて今後の伸びが期待できる人」を雇うのでは、どちらを選ぶのかというのも経営的な判断の1つなのかもしれません。

さらに、図表1で「中間層」と見なされるような人財の「意識をいかに高めていくのか?」に全力を尽くそうとする経営陣・組織かどうかというのも、重要なポイントのように考えています。

  • あなたが所属される組織では、図表1の横軸に配慮した取り組みを実施されていますか?
  • リーダー、マネジャー、経営幹部などとして、「周囲の人財の『意識』を高める働きかけ方・コミュニケーション」を実践されていますか?

弊社ではこういった取り組み・コミュニケーションについて学ぶプログラムをいくつか用意しており、それらはいずれも「フレームワーク質問力®」を基盤とした内容となっています。

興味をお持ちの方は、弊社ウェブサイトをあちこちご覧になったり、日程の近い「一般公開のイベント」について確認なさったりしてみてください。また、所属されている組織や地域での実施については、こちらからお氣軽にご相談ください。弊社の考え方に共感できる部分をお持ちの方々と出会い、何らかの形でお役に立てる機会を楽しみにしております。

(一番直近のイベントは、8月10日~11日に東京で開催の「2日間コーチング漬け体験」です。お見逃しなく!)

さて今回は、「私は能力がないので...」「私は頭が良くないので...」などと言ってしまう人(が周囲にいる人)に出会うことがあるという話から、「能力よりも意識」「意識を高めていく取り組み・相手への接し方」が大切なのでは?という私の考えをお示ししました。 あなたはどんな印象をお持ちになり、何をお考えになるでしょうか? あなたの「QOLの向上」にとって、何か少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪

P.S.
この記事は、私向けに書かれたのではないか?」って思う方が何人もいらっしゃっていいと思います。そういった認識が「正しいか、間違っているか?」という基準で考えるのではなく、今回の話を「自分にとってどう解釈するのが有益なのか、適切なのか?」という基準で考えて、出会う人々、出会う情報、新しい体験をすべて、自分が望ましい人間になっていくために使っていただければ良いのではないか?と、私は思っています。

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