人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

あなたは「休み上手」? 「質問力」の会社の「コーチング学習プログラム」?(第108号)

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こんにちは、合同会社5W1H代表の高野潤一郎です。

今回は、「ハッピー・ホリデイズ」(Happy Holidays)というメッセージの話から始めて、ユダヤ人の安息日を取り上げ、あなたは休み上手ですか?といった話を展開していっています。ご興味をお持ちいただけましたら、この先も目を通してみてください。

 

あなたは「休み上手」? あなたにとっての「休日」とは?

12月になると、「ハッピー・ホリデイズ」(Happy Holidays)というメッセージを見たり聞いたりする機会が増えてきます。休祭日を指す「ホリデイ」(holiday)の語源がユダヤ教・キリスト教の「聖なる日」(holy day)であること、一週間が7日間から成り7日目が休日であるというシステムはユダヤ人(※)によって創られたものであり、ユダヤ教で土曜日を聖なる日と定めた後、ユダヤ教との違いをつくるために、キリスト教では日曜日を聖なる日、休日とすることを定めて世界に広まったことを思い出される方も多いのではないでしょうか。私は、そういうときに改めて、ユダヤ人への興味がよみがえります。

※ユダヤ人
ユダヤ人の定義については諸説ありますが、ここでは、「ユダヤ教という思想に従って生きる人々」のことをユダヤ人と呼ぶことにします。[…つまり、国籍や血縁、目・髪・肌の色や骨格などとは関係なく、共通の「思想」で結ばれた民族であることを指します。歴史を顧みると、領土および他民族の征服・民衆からの搾取などを行った強大な帝国が数多く存在したにも関わらず、どの帝国も衰退・滅亡していったこと、そしてその背景には、武力による治世を施行したことも大きな要因として存在していたことに氣づかされます。領土のように、「見て触れてわかる(tangibleな)財」の奪い合いを繰り返すことが基本の治世では、「持続可能な発展」(Sustainable Development)を期待することは困難なのかもしれませんが、思想の深化拡大といった、「無形の(intangibleな)財」を重視する民族であったことが、今日のユダヤ人の存続・繁栄を可能にしたのかもしれませんね。]
…私自身は、人が「(観察や理由などに納得して)何かを信じること」や「信念を持って何かに取り組むこと」は素晴らしいことだと思っていますが、何か特定の宗教に興味を持っているわけではありませんので、その点、誤解されませんようお願いいたします。

 

比較的最近の話でも、2010年1月11日のニューヨーク・タイムズ紙で、「世界人口の0.2%しかいないユダヤ人が、世界チェス・チャンピオンの54%、ノーベル物理学受賞者の27%および生理学/医学受賞者の31%を占めている。米国人口の2%しかいないユダヤ人が、アイビーリーグ学生総数の21%、ケネディセンター受勲者の26%、アカデミー賞監督の37%、Business Week誌における主要な慈善家リストの38%、ピューリッツァー賞受賞者の51%を占めている。」などと紹介されるなど、学問・ビジネス・芸術など幅広い分野で、抜きん出た成果を上げ続けていることで知られるユダヤ人というのは、以前から多くの人の注目を集める存在でもあります。そして、「質問力」の研修を実施し、人財と組織の成長を促進する「コーチング」に携わっている立場の私からすると、「幼いころから『質問』をするよう、『思考力』を養うようしつけられるユダヤ人社会」や「『疑うことは知性の入り口』とするユダヤ人」、「『生涯学習』のパイオニアであるユダヤ人」などといった切り口からも、ユダヤ人やユダヤ社会というのは、非常に興味を覚える対象なのです。

さて、ユダヤ人の休日の話に戻ります。領土のように「空間」の支配に努めてきた民族と異なり、ユダヤ人は、金曜日の日没から土曜日の日没までを「シャバット」(Shabbat/shabat/sabbat/Sabbath/shabbathなどと表記)と呼んで「安息日」(…史上初の「義務付けられた休み」)を創り出したことに象徴されるように、目に見えず触れることもできない「時間」を崇めてきた民族としても知られています。「過労死」といった言葉さえ市民権を得ている日本人にとっての「休日」は、「疲労の解消やストレスの発散など、仕事をするために休む」ことを指すことも多いように感じますが、ユダヤ人のシャバットは、日本人がイメージする休日と少し違うようです。

実は、シャバットでは、仕事の話をすること、仕事について考えること、狩猟すること、掃除すること、料理すること、乗り物に乗ること、マッチで火を点けたり電氣器具のスイッチを入れたりすることなど、「一切の労働が禁じられ」、家族全員がそろって食事を摂って団らんし、子供と話したり、歌ったり、自問自答を繰り返すことで「自己の内面を磨いたりする」そうなのです。私なりの解釈では、ユダヤ人にとっての「シャバット」は、「7つの習慣」の「刃を研ぐ」習慣に相当する、「静かにくつろぎ、自分自身と向き合ったり家族の絆を深めたりしながら自分を再新再生する、週に1度確保された機会」であり、「(仕事など)1つの事柄に対する『過度の継続的注力』や『連続した緊張感』を故意に断ち切り、『心身の健全なバランスの回復』を重視する機会」といった役割を果たしているようなのです。このような特色のあるシャバットを持つこともあってか、いろいろな場面で、「ユダヤ人は、向上心が旺盛で勤勉なだけでなく、『時間を有効に使う、休み上手』である」と指摘されることがあるようです。

  • では、あなたにとっての「休日」とは、どんな意味を持つ時間なのでしょう?
  • それを踏まえて、あなたは自分のことを「休み上手」だと思われますか?それとも、「休み下手」だと思われますか?
  • そして、今後のあなたは、「休日」をどのようなものにしていきたいと考えるのでしょうか?

 

忙しくすることで、重要なことに取り組むことから逃げていませんか?

「ハッピー・ホリデイズ」に続き、これも年末行事なのかもしれませんが、この時期、「2012年の手帳」の話が増えます。スケジュールに空きが無いように仕事(という名の「作業」?)を入れて、充実感を覚えたり、自己重要感を満たしたりする方もいらっしゃるようですが、あなたは、「自らを忙しくさせることで、将来に対する不安(人生設計など)に向き合うことを避けている」といった状況に陥っていないでしょうか?

「緊急対応に追われるばかりで、質より量を重視する、反応的な生活」を送るのではなく、「普段から主体的に、重要なことに取り組み、緊急事態を発生させない生活」を送ることを望むのであれば、シャバットのように、定期的に自分と向き合う時間を確保されることも有効かもしれません。

ラビのMordechai Kaplanさんは、

「芸術家が、休みなく絵筆を走らせて絵画を描くことなどあり得ない。人生にとってのシャバットは、芸術家が絵筆を持つ手をしばらく止めて、キャンバスに表現したい対象のヴィジョンや意味を新たにする時間に相当する。」

といった趣旨の発言をされましたが、これについて、あなたはどのようにお考えになるでしょうか。

内省なしに、人間として成長することはできない」と、紀元前から内省することの重要性を伝え、「何事にも常に疑問を持ち、質問するよう教育」されたユダヤ人は、「これまで私は何をしてきたのか」「コミュニティにとって私はどんな存在なのか」「これから私は何をすることを選ぶのか」…と自分に問いかけ、「自分と向き合い、新たな課題を見つけてはそれに取り組むことで、自分の内面・人間性を磨き、生涯に渡って自己開発を続けていく機会」を確保するための特別な時間として「シャバット」を創り出しました。

第106号では、「自分自身とのコミュニケーション(内省)や内省を促進する場が必要」「熟考、内省、自分の質問法について修正を図る態度やスキルの価値」「直感だけでは、臨界点やレバレッジ・ポイントなどの把握は困難」「熟考・内省を効果的に進めるファシリテーション・コーチングといった仕事(専門サービス)」についても触れていました。この記事をお読みになっているあなたがどのようにお考えになるかはわかりませんが、第107号で、「人工的な知性がヒトの知性を上回るようになりつつある今、これまでにないほど、自分なりに納得できる(有意義な/幸せや喜びを感じられるetc.)『在り方』『生き方』あるいは『人生哲学』を持つことが重要になってきているのではないか?」という問題提起をしていた私としては、「『何事にも常に疑問を持ち、質問するよう教育』されていない日本人の私たちが、『絵筆を持つ手をしばらく止め』て、『自分と向き合い、新たな課題を見つけて取り組むことで、自分の内面・人間性を磨き、生涯に渡って自己開発を続けていく』ためには、コーチングやファシリテーションについて学んだり、自分(たち)に合ったコーチやファシリテーターを雇って活用したりすること」も、多くの人にとって、(少なくとも一時的には)非常に有効な手段なのではないかと考えていることをお伝えしたいと思います。

第99号で、第1次変化を求める「パフォーマンス・コーチング」と第2次変化を求める「自己開発コーチング」について紹介していたことを覚えていらっしゃるでしょうか。「自分なりに納得できる『在り方』『生き方』あるいは『人生哲学』を持つ」とか「自分と向き合い、新たな課題を見つけて取り組むことで、自分の内面・人間性を磨き、生涯に渡って自己開発を続けていく」という目的であれば、「周囲を人が行き来する環境・直近の仕事が氣になるいつもの職場で行う、30分の電話コーチング」といった手段は適さない人の方が多そうだとご理解いただけるでしょうか。コーチングを実施する際には、「目的」や「テーマ」、クライアントの「心身状態」などに合わせて、「アプローチを柔軟に変更」することが大切なのであって、「クライアントがこう言ったら、コーチはこう返しましょう」などと定型パターンを教えるだけのコーチング研修/セミナー/書籍は、百害あって一利なしだという認識が広まることを願っています。

 

「質問力」で知られる会社の
「コーチング学習プログラム」とは?

繰り返しになりますが、「人工的な知性がヒトの知性を上回るようになりつつある今、自分なりに納得できる『在り方』『生き方』あるいは『人生哲学』を持つことが重要になってきているのではないか?」と問題提起をしている私は、「『何事にも常に疑問を持ち、質問するよう教育』されていない日本人の私たちが、『絵筆を持つ手をしばらく止め』て、『自分と向き合い、新たな課題を見つけて取り組む』ために、(1)コーチングやファシリテーションについて学んだり、(2)自分(たち)に合ったコーチやファシリテーターを雇って活用したりする」人々が増えていくといいな!と、心から思っています

そこで、弊社にできることとして、上記の(1)(2)に対応する新たなコンテンツおよび既存のサービスをご用意しておりますので、興味のある方は是非ご覧になってみてください。

(1)コーチングやファシリテーションについて学ぶ

■ 弊社流「コーチング学習プログラム」

過日ご案内していた「平日版Pre-CBP」とは異なり、

土日祝バージョンで、「ビジネス・パートナー」という観点を排し、
純粋に「コーチング」を学ぶプログラム

を新たにご用意しました。

  • 「平日版Pre-CBP」では全15回としていた内容を全12回とし、 多少構成を変えて実施いたします。
  • 今回は、「ビジネス・パートナー」という観点を排して、参加者を募集いたします。(したがって、エッセーの提出や課題図書などもありません。)
  • 少しでも遠隔地からの参加しやすくなればと思い、隔週の土日連続開催で、土曜日の開始は遅めで、日曜日の終了を早めとするのを基本スケジュールとしています。

後日、お仕事の関係などで欠席回が生じるのは仕方がないと思っており、複数の参加者が同時に欠席の回があれば、別途フォローアップの学習の場を用意することも検討したいと思っています。

詳細は、こちらから、確認なさってみてください。

 

■ "The Skilled Facilitator Fieldbook" でファシリテーションを学ぶ「朝の研究会」 2012年3月スタート!

第4期:リーダー、コーチ、コンサルタント向け「変化促進研究会」(C研)では、

"The Skilled Facilitator Fieldbook: Tips, Tools, and Tested Methods for Consultants, Facilitators, Managers, Trainers, and Coaches" を用います。

C研の詳細、および、テキストの目次については、こちらから、確認なさってみてください。

 

(2)コーチやファシリテーターを活用する

の利用もご検討いただければ幸いです。
(2011年12月31日~2012年1月3日のご利用相談も、お氣軽にどうぞ!)

「『何事にも常に疑問を持ち、質問するよう教育』されていない日本人の私たちの間で、コーチングやファシリテーションを学ぶことに興味をお持ちの方が増えたり、自分(たち)に合ったコーチやファシリテーターを活用する人々が増えたりすることを祈念しています。

 

さて今回は、

  • あなたは「休み上手」? あなたにとっての「休日」とは?
  • 忙しくすることで、重要なことに取り組むことから逃げていませんか?
  • 「質問力」で知られる会社の「コーチング学習プログラム」とは?

といった話を通して、ユダヤ人のシャバットをご紹介し、「絵筆を持つ手をしばらく止め」て「自分と向き合う」ことが大切ではないか、「質問するよう教育されていない日本人」にとってコーチング・ファシリテーションは有用ではないか、という考えをご紹介してきました。あなたは、どのような印象をお持ちになり、何を考えられたでしょうか?

 

何か少しでもお役に立てれば幸いです。

P.S.
弊社の Google+ページでは、不定期で、Twitterよりは字数が多めかもしれないけれど、ニューズレターよりコンパクトな情報について流していくことを検討しているとお伝えしておりました。先日、【 解説記事「組織運営に活かすコンフリクト・マネジメント」の全文公開 】【 クチコミ効果の因果関係ループ図 】 @夜の勉強会 についても公開しましたので、ご興味をお持ちの方は、ご覧になってみてください。

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