読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

『情報過多』&『相互作用が重要』なら、『フィードバック』をうまく活用しましょう!(第189号)

follow us in feedly
Send to Kindle

 

こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。 

ニューズレター第188号「構えの無い構え:『相手にだけ』変わることを求めていませんか?」では、下記のような話をご紹介していました。

  • 上司だけで部下を育てていては、視野狭窄に陥りやすい
  • 上司は、学び合う場を創り出し、それを維持していく役割がある
  • 『絶対解』がある場合には、それを『浸透』させるのが有効、すなわち、『自分は変わらず、相手だけ変わる(成長する)』ことが望ましいかもしれないが、『納得解』が求められる場合には、『相手のみならず、自分も変化する(成長する)』ことが求められる
  • 『ひとつの構えに固執せず、目的や状況、相手に合わせて柔軟に応じる』という『協創対話』のアプローチ

また、「@人事」様での公開記事「今後は、行動定着よりも相互作用! キーパーソン・人財部門の役割は?」では、下記のような主張を展開し、表1「『状況認識』の違いによって、『組織能力を向上させる取り組み』の内容は変わる」を示していました。

  • 「画一的で、中途半端な満足度しか生まない『顧客』向けビジネス」よりも「好みなどが異なる相手1人1人に高い価値を感じていただけるようにと、『個客』を志向したビジネス」が求められるようになってきている
  • そうした変化に応じるように、「状況や相手にかかわらず、『特定の行動』を取ればよい」のではなく、「相手から『望ましい反応(相互作用の結果や成果)が得られるまで、柔軟にアプローチを変える』のが大切」という姿勢が求められるようになってきている

表1:『状況認識』の違いによって、『組織能力を向上させる取り組み』の内容は変わる

将来予測がほぼ確実なビジネス環境VUCAなビジネス環境
保証されている結果を提供 同意に基づく製品・サービスの提供
要望・依頼に確実に応える姿勢が重要 要望を推測・共に言語化する姿勢が重要
手際のよい処理能力が重要 適切な課題設定能力が重要
計画性・着実性・手段を重視 創造性・柔軟性・目的を重視
無駄を排した効率化が重要 変化の創出/変化への適応が重要
自前主義の閉鎖系組織が優勢 協働が盛んな開放系組織が優勢
他社との競争に勝つことが重要 高価値創出に向けた協働が重要
行動定着と結果に着目 相互作用と成果に着目

 [ 出典:「@人事」様での連載記事:「今後は、行動定着よりも相互作用! キーパーソン・人財部門の役割は?」 より転載 ]

 

「行動定着」重視なら「検査・管理」、「相互作用」重視なら「フィードバック」

「自動販売機に、お金を入れて(ICカードでタッチして)、欲しい商品のボタンを押したら、その商品が出てくる」ように、「相手がこうきたら、こう返す」といった形で「決まった行動がとれる」ようにする(特定の入力情報に対して、事前に定めていた出力ができるようにする)のが大切な場面はまだまだ多いですが、それこそ、「ヒトではなく自動販売機(をはじめとする各種機械)」が、その役割を担う場面が増えてきています。

「分厚いマニュアルを記憶した、用途特化型ロボットのような人財を育成する」こととは違って、「学んだ事柄を応用して、目的達成や問題解決できる(異なる状況に対応できる)ような人財を育成する」には、「望ましい結果とはどんな状態を生み出すことで、入力情報とその結果を結び付けるには、どういったことに取り組むのが適切なのだろう?」などといった形で、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財を育成する』取り組みが求められます。

多様な『個客』の欲求に応えるには、『フィードバック』が重要

図1:多様な『個客』の欲求に応えるには、『フィードバック』が重要!

この、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財(状況に応じて、学んだ事柄を適応して用いることができる人財)を育成する取り組み』のひとつとして有効なのが、日常業務の現場および面談時の『フィードバック』です。

【 注意 】

『絶対解』がある場合であれば、「○○は良い。△△はダメ。」といった『コメント』を通して、『評価者の(バイアスがかかった)価値判断基準』を『浸透』させる、一方的な『指導』『訓練』で構いませんが、ここで言っているのは、『狭義のフィードバック』(…ニューズレター第133号「フィードバックの仕方で、こんな間違いしていませんか?」で紹介していた『Sフィードバック』のこと)です。

経験豊かな人物の『解釈・意見・判断』は非常に有用なので、それを伝えることは不可欠ですが、『フィードバック』と区別して、『コメント』や『過去、特定の状況下でうまくいった事例』などとして伝える工夫が重要です。

『優れたフィードバック』とは、相手を褒めたり、おだてたりすることでも、ダメな箇所を列挙することでも、相手の人となりについてレッテルを貼ることでもなくて、『私たちの経験についての、純粋で中立的な情報』と併せて、『目的達成・問題解決に役立つ、適切な質問』を相手に与えることによって、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財(状況に応じて、学んだ事柄を適応して用いることができる人財)を育成する手法』のひとつだということです。

※上述のニューズレター第133号では、『フィードバックの仕方についてのチェック項目』(A~Hの8個)についてもご紹介しています。 是非、ご活用ください。 また、『FIND法』『面談準備シート』など、より具体的で詳細な内容について関心がある方は、「自律型人財・組織を育む『ファクト・ベイスト・フィードバック』~現場・面談で主体的に学び合い、業績向上につなげるコミュニケーション~」個人向け一般公開セミナー)(組織向けの出張研修)をご活用ください。

 

『個人の育成』だけでなく、フィードバック&質問で『組織学習』を促進する

Facebookページ記事「『顧客→個客』と『予測困難性』に対応できる『対話の仕組み』」では、『相手の意識の向け先を変える』という『質問の効果』について紹介していました。

「関係者の行動を細かく管理する」のと違って、上述の例のような形で、『質問を共有して、主体的に考えたり行動したりすることを促す働きかけを行う』のは、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財(状況に応じて、学んだ事柄を適応して用いることができる人財)を育成する』上で、大変有効です。

『情報過多』の状況で、目先の情報に振り回されるのではなく、『関係者全員が納得できる価値判断基準を練り上げたり、共有したりする』という『抽象的思考プロセス』を『対話を通して体験』しておくこと、『自分たちにとって重要な質問』を共有して「出来事の背景にある『本質』を捉えて動こうとする」ということは、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財(状況に応じて、学んだ事柄を適応して用いることができる人財)を育成する』上で、非常に重要なのではないでしょうか?

「さまざまな要素が互いに作用し合いながらも、全体として挙動をする1つのまとまり」のことを『システム』と呼ぶことがあります。 所属している「組織」を「システム」、人と人との結びつきを強調して『ネットワーク型システム』と捉えるなら、「人財」は「システムの構成要素」のひとつということになります。

そして、『組織能力を向上させる』というのは、上記のような「『フィードバック』や『質問』を最大限に活用した『協創対話』のプロセス」を通して、『(孤立して遍在する個人の能力を高めるだけにとどまらず)ネットワーク型システムとしての能力を向上させる』ことなのではないでしょうか? あなたが所属される組織では、どんな形で、『組織能力の向上に役立つ人財育成』を行っていらっしゃるでしょうか?

さて今回は、ニューズレター第188号「構えの無い構え:『相手にだけ』変わることを求めていませんか?」の内容や、「@人事」様での公開記事「今後は、行動定着よりも相互作用! キーパーソン・人財部門の役割は?」の内容を踏まえ、『行動定着よりも相互作用を重視した人財育成』、『抽象的な思考ができて、具体的な行動を起こせる人財(状況に応じて、学んだ事柄を適応して用いることができる人財)の育成』に取り組む際には、『フィードバック&質問』が重要ではないか?という考え方を紹介してまいりました。 

あなたは、どんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 周囲の方々とお話になってみてくださいね。

それでは、次回のニューズレターでまたお会いしましょう♪

Send to Kindle

follow us in feedly