人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

『21世紀型スキル』は、既に修得済みですか?(第183号)

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こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。 先日、ある人々と『21世紀型スキル』について話す機会がありましたので、ニューズレターでも、その内容を少しシェアしようと思います。

 

『21世紀型スキル』とは?

2009年から2012年にかけて、グローバルIT企業の支援の下、世界各国の研究者や政府、国際機関が連携して、『21世紀型スキル』を次のような4つの分類、10のスキルに整理して話題となったことがありました。

●考え方
---創造性とイノベーション
---クリティカル・シンキング、問題解決、意思決定
---学び方の学習/メタ認知(認知プロセスについての知識)

●働き方
---コミュニケーション
---協働(チームワーク)

●働くための道具
---情報リテラシー
---ICTリテラシー

●世界での生き方
---社会の一員としての責務(ローカル&グローバル)
---人生とキャリア
---個人的・社会的責任(文化的意識と異文化対応能力を含む)

※内容として、知識(Knowledge)、技能(Skills)、態度(Attitude)、価値観(Values)、倫理(Ethics)が盛り込まれているため、これらの頭文字をとって『KSAVEモデル』と呼ばれることもあるようです。

[ 出典:The Assessment and Teaching of 21st Century Skills project ]

複数のグローバルIT企業がスポンサーとなっているという背景もあり、「働くための道具」の部分にやや偏りがあるのではないかという話もありましたが、『21世紀型スキル』として、広く受け入れられている内容となっています。

 

モノ創りだけでなく、コト創りを目指して

例えば、「空飛ぶクルマ」を開発する(※)という場合、「どうやったらクルマを飛ばせるだろう?」「現在のクルマに羽を付けようか?」といった発想は、「モノ創り」中心の発想かもしれません。

一方、「コト創り」中心の発想では、「空飛ぶクルマって何だろう?そもそもクルマって何だ?」といったところから考え始めます。

すると、「快適空間のまま移動したいっていう欲求を満たす手段かな?」「ヴァーチャル・リアリティ(仮想現実)とかが発達しても、私たちは移動したいものなのかな?」「移動だけなら、身体に外骨格を付けて飛べれば良いのかな?」「空飛ぶクルマって言ってるけど、何で、空中も水中も地上も進めるクルマって言わないの?」…といった疑問・質問が湧いてきます。

結果として、「従来のクルマを飛ばそう!」という路線の競合他社とは異なる、『まったく新しい発想の空飛ぶクルマ(クルマの新しい定義)』および『空飛ぶクルマを許容するライフ・スタイルや社会の在り方』の提案・開発につながるのではないでしょうか?

「空飛ぶクルマを開発しよう」と言われたとしても、「わかったつもり」にならず、「どういうこと?」「誰の、どんな欲求を満たすことを目指すの?」などと、従来の捉え方や関係者に対して、『子供のような素直な質問・本質を突く質問を繰り返し投げかけ、結果として、他者/他社とは異なるモノの見方・結論・意思決定を導く力』を『クリティカル・シンキング』(Critical Thinking、『厳密かつ建設的な思考』、『シビアかつポジティブな考え方』)と呼びます。

私たちの多くは、学校教育などで『与えられた問題を効率的に解く』訓練をしてきていますが、『与えられた問題を解くので良いのか?より適切な問題あるいは課題の設定の仕方はないのか?』と問う『クリティカル・シンキング』に慣れていないのではないでしょうか?

もし、『創発イノベーション』、あるいは、今まで以上の『モノ創り』といった側面も含む『コト創り』を志向するのであれば、『目的や状況に合わせて、柔軟に視点変更でき、関係者にも視点変更を促すことのできる力』(…クリティカル・シンキングの力 & 納得ベースで進めるコミュニケーションの力;『協創対話』を行う力)をつけていく必要があるのではないでしょうか?

※2014年3月に、トヨタ・モーター・エンジニアリング&マニュファクチュアリング・ノースアメリカ(TEMA)による『エアロカー用の積み重ね可能な翼』のデザインの特許出願があった話や、自動車業界に勤める若手有志による、日本生まれの空飛ぶクルマ『SkyDrive』をつくるプロジェクトなど、『空飛ぶクルマ』に取り組む動きは、一般の人々にも見聞きされ始めています。

 

『知識の伝授』では、『新しいモノの見方』を手に入れることができても、『新しい思考パターン』の体得まではいかない

小見出しにあるような話は、これまでのニューズレターで繰り返し取り上げてきています。

また、前段の「空飛ぶクルマ」の例でも、『21世紀型スキル』の『考え方』内に挙げられている「創造性とイノベーション」と「クリティカル・シンキング、問題解決」のつながりが徐々にお分かりいただけてきたのではないかと思います。

本ニューズレターをご購読のみなさまには馴染み深い『フレームワーク質問力』では、『21世紀型スキル』で取り上げられている項目の内、『考え方』と『働き方』の内容について取り扱っています。(「学び方の学習/メタ認知(認知プロセスについての知識)」も取り扱っています。)

そして、『フレームワーク質問力』を基盤とする『合同会社5W1Hコーチング学習プログラム』では、『新しい思考パターン』を体得・自力で発現できるところまでを目指し、『世界での生き方』に関する内容・演習までを取り扱っています。

『目的や状況に合わせて、柔軟に視点変更でき、関係者にも視点変更を促すことのできる力』『協創対話を行う力』を伸ばしていくことが重要だとお考えの方、『クリティカル・シンキング』によって、『独自価値』を創出したり、『個性』(その組織らしさなど)を磨いていくことが大切だとお考えの方で、まだ『フレームワーク質問力』に参加されていない方がいらっしゃるようでしたら、是非、近日開催のセミナーにお越しください。

1月30日(土)~31日(日)ほか
フレームワーク質問力®
(『コーチング学習プログラム』のモジュール1)
…「対人スキル」と「クリティカル・シンキング」の両方が同時に学べるセミナーです。

フレームワーク質問力』で『新しいモノの見方』を手に入れられ、弊社セミナーの質や講師の対応力にご満足いただけたら、『新しい思考パターン』の体得を目指して、下記への参加もご検討いただければと思います。

4つのモジュールを分割して受講可能です!
合同会社5W1H流コーチング学習プログラム
… やってみると「もう終わりですか? 短い!」と言われます。

『21世紀型スキル』の内、『働くための道具』を除く、『考え方』と『働き方』、『世界での生き方』について学び、身につけようとされる方とご一緒できるのを楽しみにしております♪

さて今回は、『21世紀型スキル』をご紹介し、「空飛ぶクルマの開発」といった話を例に挙げて、『クリティカル・シンキング』の解説を試みました。 また、『クリティカル・シンキング』を活用する(オリジナリティの発揮や、自分たちらしさの実現など)には、『納得ベースで進めるコミュニケーションの力』、「合同会社5W1Hコーチング学習プログラムでお伝えしている、『協創対話』を行う力」が求められるといった、弊社の考え方を紹介してまいりました。

今回の記事をお読みになって、あなたはどんなことを感じたり考えたりされたでしょうか? 周囲の方々とお話になってみてくださいね。 それでは、次回のニューズレターでまたお会いしましょう♪

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