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人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

「正解主義」から「納得主義」へ… 「効率志向」から「学習志向」へ…(第150号)

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こんにちは、合同会社5W1Hの高野潤一郎です。

先日実施した研修で、フレームワーク質問力®」が真価を発揮する例として、「相手が既に持っている答えや本音を引き出すだけではなく、相手自身が思ってもみなかった極上の解や本心を、質問者と協働して導き出し、関係者が納得できる形に整える」場面を目の当たりにした方から、次のような言葉を頂戴しました。

「質問力」を発揮するというのは、相手(敵)と自分(味方)の闘いにおいて、いかに自分に有利な情報を引き出すか、相手を誘導するかというイメージしか持っていなかった。ところが今回の研修を通して、「フレームワーク質問力®」というものが、事前に誰も持っていなかった解・ロジカル・シンキングだけに頼っていては出て来ない解を、協働して創り上げていくプロセスに役立てることができるということを知り、良い意味で驚いた。我々、管理職だけでなく、是非、若手にも身につけさせたいものだ。

今回は、この辺りの話をご紹介しようと思います。 ご興味をお持ちの方は、どうぞ読み進めてください♪

 

「正解主義」から「納得主義」へ

「正解主義」から「納得主義」へ

図表1:「正解主義」から「納得主義」へ

これまでニューズレターでいろいろと書いてきているので、図表1については、「『唯一絶対解』のない時代だから、『納得解』を関係者と共に創り上げていくのが大切!」(…情報収集程度で止まらず、視点変更・適切な課題設定を誘発する「質問力」が大切!)とだけお伝えし、話を先に進めようと思います。

[ ※過日の講演、「尋問していて、良質の提案できますか?~鼻血で考える要件定義~」を聴講くださった方は、「手戻りを無くす秘訣」の話も思い出してくださいね。 ]

個別にはさまざまな特殊事情があるとしても、大局的には図表1のような潮流があり、個人・単一の組織や部門では生み出せない高い価値・これまでになかった価値を生み出し続けること、「さまざまな考え方・専門分野の人間が学び合い、協働して、イノベーションを生み出していく」こと、異なる強み・弱みを持った関係者が「相補的・互恵的な相互依存関係を築いて協調する」ことが、以前に増して求められるようになってきているのは確かではないでしょうか。 私は、「異分野の専門用語や概念といった障壁を乗り越え、部門の壁・役割や見解の相違を踏まえて交渉し、関係者がそれぞれの立場から納得できるような解決策を見い出せるまで、丁寧なコミュニケーションを重ねることが極めて重要になってきている」という理解の仕方をしています。あなたはどんなイメージをお持ちでしょうか?

※参考情報
12月6日(金)までFacebookページで公開中の、第17回「教養醸成の会」の「高野の学習レポート」(PDFファイル)には、下記二重線内の記述があります。


弊社ニューズレター第109号では「3種類のループ学習」について、第120号では「経験学習」について紹介しました。そういった内容をご覧いただくと、「組織の学習」という観点から「フィードバック」が非常に重要な役割を果たすことがわかってきます。 本書を読んで、製造・検査系の経験はフィードバックを得やすいけれど、企画・開発系の経験は「長期・組織的・遅効・少数」などといった特性を持っていて、現時点では、フィードバックがかかりにくい状況に陥っていることが多いということに氣づきました。 製造・検査系であれば、シングル・ループ学習が特に有効かもしれませんが、企画・開発系であれば、ダブル・ループ学習やトリプル・ループ学習がより重要な役割を果たすのではないかと、システム思考の視点から考えました。


 

静的チームと動的チーム、効率志向と学習志向

さて、前段で紹介したような潮流を踏まえると、「協創力」や「組織としての学習能力」を高めるための、チーム(team;部門、部署)やチームワーク(teamwork)の在り方にも変化の兆しがあるように思えてきます。

静的なチームと動的なチーム

図表2:静的なチームと動的なチーム
[ 第6期「変化促進研究会」で扱った書籍『teaming: How Organizations Learn, Innovate, and Compete in the Knowledge Economy』Amy C. Edmondson を参照して作成 ]

私が知る範囲で言えば、研究開発,デザイン,医療、IT、教育、コンサルティングなどをはじめとした「知識集約型産業」と呼ばれる業界での仕事で、「動的チーム」を形成して働く比率が増えてきているように感じています。 みなさんの仕事環境における働き方は変わってきているでしょうか?

数ヶ月程度ずっと一緒に過ごすことも多い「静的チーム」の場合と異なり、一週間程度以下の短期プロジェクトや数時間だけ仕事を共にすることも少なくない「動的チーム」で、「個客独自のニーズやウォンツを満たせるよう、複雑にカスタマイズされた製品やサービスを提供する」など、優れた成果を挙げるにはどうすればよいのでしょう?

長々と身の上話をし合ったりして互いの親密さを高める時間的余裕がない中で、動的チームでアイディアを出し合い、共有し、蓄積し、組み合わせ、さらに専門知識や技術などとも絡めて、高い付加価値の創造・提供につなげなければならないのではないでしょうか? また、こういったプロセスを円滑に進めるために、普段から「心理的に安全な仕事環境」が実現されるよう、「組織文化の醸成」に努めておくことが求められるのではないでしょうか?

前半部分については、ニューズレター第144号の中で、「コミュニケーション相手との関係性や場を大切にしながらも核心を突く質問を繰り出し、目的達成や問題解決に向けて、スピーディーに仮説を立てる(想像力を発揮して構想する)」という事柄について書いていたので、そちらをご確認ください。

後半部分については、図表1を見直してみてください。 例えば、「リーダーが答えを提供する」という「効率志向の業務遂行」が当たり前の職場で、「正解や効率を求めることが大切」というメッセージを上司や同僚の言動・職場の雰囲氣などから受け取った人物は、絶対確実な情報でなければ伝達しようとしなくなり、柔軟な発想に基づくアイディアや質問を発しなくなります。すなわち、「効率主義で正解を求める組織文化」のままでいると「新領域・融合領域における迅速な組織学習が妨げられる」ことになります。

もし、「イノベーションを起こすことが決定的に重要であり、そのプロセスに伴う判断上の誤り(mistake)や能力不足による失敗(failure)などを避けることはできない」のであれば、「リーダーは方向性を定める(組織にとっての優先順位を明らかにする)」だけで答えを与えず、「失敗から学ぶ」ことを奨励するという「学習志向の業務遂行」環境・姿勢を育むことが、組織にとって必須の取り組みとなります。…もちろん、規準・規範からの逸脱など、正しくやれたはずなのに生じる間違い(error)については、最小限に止めることが求められます。

「学習志向の業務遂行」の基盤

図表3:「学習志向の業務遂行」の基盤
[ 出典:第6期「変化促進研究会」で扱った書籍『teaming: How Organizations Learn, Innovate, and Compete in the Knowledge Economy』Amy C. Edmondson  ]

この辺りの話についてきちんと解説しようとすると、第6期「変化促進研究会」での議論に基づき、図表3の詳細についてしっかりと書かなければならなくなるのですが、ずいぶん長文になってしまうため本記事での紹介は控えさせていただきます。ただ、これまでにも参考情報をご紹介してきておりますので、興味をお持ちの方は、是非、第128号で「『発見的過程』を自力で進めることができる人財、育てていますか?」、第141号で「質問し合うことを奨励する文化」といった内容をご参照ください。

さて今回は、ビジネスの世界において「多様な世界観の下、納得主義に基づいて協創」(…個客レベルで顧客を深く理解して、高付加価値の提供を追求)するという傾向が強まっているという認識の下、「正解主義」から「納得主義」へ、「効率志向」から「学習志向」へという対応が大切になってきているのではないかという話を紹介して参りました。 

冒頭でご紹介した研修参加者の感想・ご意見は、「フレームワーク質問力®」の内容が情報収集に止まらず、「学習志向・納得主義での協創を重視する」姿勢であることに氣づかれた方からしばしば頂戴するものです。これまで、あまりこういった側面から「フレームワーク質問力®」について紹介してきておりませんでしたが、あなたはどんな印象をお持ちになり、何をお考えになるでしょうか? あなたの「QOLの向上」にとって、何か少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪

P.S.
『唯一絶対解』のない時代だから、『納得解』を共に創り上げていく!」という方針で実施している「フレームワーク質問力®」の一般公開セミナーは、12月7日(土)~8日(日)が今年最後の開催となっております。申し込み締め切りまでの残り日数が少なくなって参りましたので、興味をお持ちいただけた方は、今すぐ詳細を確認なさってみてください。

また、「フレームワーク質問力®」研修の導入や、貴組織に合った人財育成計画策定・実施のお手伝いを行う「人財育成コンサルティング」について、興味をお持ちになったようでしたら、下記リンク先情報をご確認の上、お氣軽にご相談ください。
法人向け研修  ● 人財育成コンサルティング

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