人財と組織の育成を支援する「合同会社5W1H」のニューズレター

「納得できるように、物事を主体的に変えていく力」を持った人・組織こそが、「意義深い人生を送る能力」を持った人(から成る組織)であり、「贅沢さとは異なる豊かさを享受し、QOL(人生の質)向上を実現する能力」を持った人・組織である

なぜ、カスタマーとクライアントを区別?; アマチュア医師?(第95号)

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こんにちは、合同会社5W1H代表の高野潤一郎です。

最近は、一般公開セミナーで提供しているコンテンツについて、 「研修に関する資料を送ってください」「ウチの会社で実施してもらいたいのですが...」 といったお問い合わせへの回答が、他社さまからの回答と雰囲氣が違うらしいという話を聞きましたので、今回は、その辺りに関係する内容で、弊社が考えていることをご紹介してみようと思います。

 

なぜ、カスタマー と クライアント を区別するのか?

弊社では、

  • モノやサービスの買い手である【 カスタマー 】 (顧客、コンテンツやサービスを一方的に提供する相手)と、 
  • 仕事を頼む相談主、依頼主である【 クライアント 】 (依頼人、双方向でやり取りし、協働して望む成果を挙げようと思えるパートナー)

を区別するよう、心掛けています。

具体的には、弊社の、一般公開セミナー にご参加いただけるみなさまは、「カスタマー」ですが、企業研修、コンサルティング、コーチングなどを活用されるみなさまは、「クライアント」です。

…企業研修やコーチングなどに関して、弊社の方から、「採用してください。使ってください。」などと、お願いをしたり、出来合いの資料を送ったり、電話をかけたりするなどして「営業」をかけたことは、これまでのところ、一度もありません。 ですから、スポンサーの言いなりになって、研修やコーチングを提供する「下請け業者」のように扱われたことはありませんし、そのように誤解されないよう、普段から情報発信しています。

 

上記の「クライアント」に関する文章には、「双方向でやり取り」「協働」「パートナー」といった表現を盛り込んでおりました。 弊社は、クライアントさまとは、上下関係にはなく、「役割や強みが異なるパートナー」であり、「対等」にお付き合いさせていただけるからこそ、「耳の痛いことでも直言」させていただくことが可能となりますし、クライアントさま自身の

  • 「コミットメント」(100%徹底的に関わり、責任を取ること)
  • 「エンパワーメント」(権限委譲による社員の業務への主体的関与の推進)
  • エンゲージメント」(自主性を尊重した社員間における業務上の取り決め)

など、「主体性」「責任」に関わる意識、あるいは「想像力」「発想力」「創造力」などを引き出すことができ、期待される結果、あるいは、期待を上回る成果を出せてきているのではないかと認識しています。
…基本姿勢が「受け身」「評価者」「依存傾向」の「カスタマー」との仕事では、この辺りが難しいように考えています。もちろん、こういった事情は、弊社業務内容に依存してのものであることは承知しております。

 

プロフェッショナル と クライアント

過去のニューズレター、プロフェッショナルなジェネラリスト?(2009年07月21日配信)では、

スペシャリスト←(対義語)→ ジェネラリスト
プロフェッショナル ←(対義語)→ アマチュア

であり、スペシャリスト:高度な専門知識とスキルを身につけている人と、プロフェッショナル:依頼や期待に応えることにコミットする人は別モノであるとお伝えしておりました。(この定義に従えば、医師免許を持ったアマチュアや、弁護士資格を持ったアマチュアですら存在する実態が納得できますね。)

すなわち、最新流行の経営手法について知っているかどうかなどを重視するのがスペシャリストで、専門分野の学習は人並み以上にやっていつつも最新流行の経営手法など歯牙にもかけず、たとえ古くから知られている手法であっても、それがクライアントにとって最も役立つと判断すれば、それを用いるのがプロフェッショナルであるといった解釈をされるといいように思います。

また、個別に異なる状況にある企業や組織に対し、研修と称して、同一コンテンツやサービスを提供するのは、スペシャリストがカスタマー向けに行うサービス止まりであり、プロフェッショナルがクライアントと共に行う、「カスタマイズが前提の仕事」とは本質的に異なるということは、ここまでお読みくださった方であれば、ご理解いただけるものと思います。

…自社で研修内容の精査をせず、これまでに取引のある仲介業者などを通し、研修会社や研修を選んでもらっているようであれば、要注意です。 自社でどんな問題意識を持ち、その問題が自社にとってどう位置づけられるのか? その問題を解決する手段として、その研修はどんな役割を果たすのか? などに答えられずに行っている研修は、費用や時間の無駄になっていないか、確認されることをお勧めします。

 

念のため...わかりやすさを優先して、ここでは、特定企業・機関向けの「研修」を「料理」に譬えて、表現しておこうと思います。

弊社は、どの店舗に行っても同じ料理法で同じ味付けの料理を出す、マクドナルドのようなレストランではありません。
(例えば、マクドナルドのようなレストランは、どのようなお客様が、どの店舗に行っても、同じ味が期待できる、安い、早いなどといった商品やサービスを期待される方に喜ばれる形態です。)

弊社で提供させていただいている料理は、クライアントの具体的なご要望を伺った上で、たとえ同じメニューであっても、お子様向けには辛味を抑え氣味にしたり、若手の方向けには少々油を多く使って料理したり、シニア向けには素材を柔らかく塩分を控えめにしたりと、相手に合わせてご用意しています。

実際には、こちらの思い込みによる世代による区分けなどは行わず、アレルギーをお持ちの方はいないか、菜食主義の方はどうか、運動後にお腹を空かせてお立ち寄りなのか、それとも軽くお茶とデザートのみを希望されるのかなど、クライアントについて、その都度、必要に応じて、具体的に確認させていただきます。

「とにかくお腹が膨れれば、何でもいい」「新商品の試食ができればいい」といった目的や、受講者の心構えやスキルなどの変化を求めない研修では、一過性の知的な楽しみを得て、やりっ放しで終えることになってしまうため、せっかくの投資(時間、費用、本来業務への支障など)に見合うような成果は期待できません。

弊社研修では、中長期に渡る、人や組織の本質的変化・成長への貢献を心掛けることを信条としているため、相手のこと(料理に期待されること)を全然把握しない内に、誰に対しても、決まったお薦めメニューを提示するといったことは避けてきています。

定期的に著名人や有識者を招いて実施する、刺激目的の「講演会」などでは多少事情が異なるのかもしれませんが、「研修」については、「事前に具体的な問題意識があってはじめて実施されるもの」という想いを持ち、カスタマー向けには提供せず、クライアント向けに提供することを心掛けています。

 

対等であるということ

さて、冒頭の話に戻しますと、弊社の...

  • 出来合いの研修内容説明資料は用意しておらず、多少なりとも、研修実施を検討している会社や組織の情報を頂戴してからでないと、資料を送らない
  • 組織の長や担当者との事前打ち合わせなく、講演や研修を行うことがない
  • 面識のない企業に、研修などを売り込みに行かない

といった姿勢に驚かれる企業・組織がいくつかありましたので、今回のニューズレターでは、

  • なぜ、カスタマー と クライアント を区別するのか?
  • プロフェッショナル と クライアント

といった切り口から、少し、弊社の考え方をご紹介させていただきました。

 

カスタマーやクライアントから寄せられる「信頼」が、特に大きな事業基盤となる会社では、企業理念や価値観に加え、「揺るぎない職業倫理や、それを守り抜く規律」なども非常に重要であると考えています。

そのため、「カスタマーとクライアント」「スペシャリストとプロフェッショナル」を区別し、弊社が提供可能な「洞察」と「協働」といった価値を高めることをお伝えしました。
…クライアントとは「対等な立場」で接することで、「主体性」 「責任」に関わる意識、あるいは「想像力」「発想力」「創造力」などを引き出すお手伝いができると考えています。
みなさまが所属されている組織では、この辺りについて、どのような考えをお持ちになっているでしょうか?

「医師免許を持つアマチュア」といった表現も例として挙げておりましたが...サービスを受ける側のことを意識しない「スペシャリスト」が、身近にのさばったり、はびこったりしていないか、あるいは、自分がそうなってしまっていないか、確認なさってみてくださいね!

 

それでは、また次回のニューズレターでお会いしましょう♪

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